昨日、郷里の神社の宮司様に来ていただき「家祈祷」を行いました。この家祈祷とは一般的にその土地や家等の建物の神仏をご供養し、日々のご守護の感謝と家族の健康や安全の幸せな生活と福徳円満を祈るご祈祷のことを言うそうです。
今ではマンション住まいが増えてきていますから、敢えて家祈祷する習慣は失われてきているといいますがむかしは定期的にその土地への感謝や家内安全、家族の平安などを守ってくれている存在を身近に感じたのでしょう。
その理由は、神棚をはじめ仏壇、そのほかにも様々な家の神様をお祀りし供養していた習慣をもっていたからです。家の中には、数々の家の守り神、そして家の外にも祠を設けて守り神がいて常に見守りを感じながら生きてきました。
また風水や縁起を信じていて、南天や柊、四方の方角に合わせて様々な厄除けを行いました。昨日もまたお祓いを中心に、鬼門や裏鬼門のお話や神棚の設置場所、そのほか、清め方など教えていただきました。
またこの土地にどのような歴史があり、なぜ今の神社が氏神様なのか。かつてはどのような人たちが何をやっていたのかなどを教えていただきました。
改めて自分自身が住んでいる土地のことを省みることができ、その土地に見守られて暮らしている実感を味わうことができました。
家祈祷というものは、家を人格がある存在だと認めていることになるように思います。私の古民家甦生のやり方は、常に「家が喜ぶか」に主眼を置きます。これは会社であれば、「会社が喜ぶか」になります。
我が我がと個人が好き勝手にする世の中になってきていますが、本来は自分が守られ活かされている存在にどれだけの感謝を盡しているか。当たり前ではない守護してくださっている恩にどれだけ報いようとしたか。
それは生き方に出てきます。
運が善い豊かで足るを知る感謝の生き方は、この家祈祷の中にも生きています。引き続き子どもたちのためにも、失われてはならない日本人の大切な習慣を守り育てていきたいと思います。