昨日までは日本のお風呂の歴史を書きましたが、今日は海外のお風呂のことを深めてみようと思います。
現在、スーパー銭湯やスパ施設に本格的なサウナ室が続々と設置されています。私も出張の時には、たまにサウナを利用していました。温度計だけの狭い空間の中でみんな黙っていつ誰が先に出るのかなどでサウナ常連感を楽しんでいたものです。
しかし今では、サウナや冷水の「温冷交代浴」も流行り、そのサウナを通したリラックス状態のことを「ととのう」といい、サウナ道などというものも出てきてブームが来ています。
このサウナは、現在の情報化社会で運動不足で神経過敏過剰になる今の世の中に適応しているとも言えます。
そもそもサウナ(sauna)という言葉は、フィンランド語です。意味は「蒸し風呂」となります。今から6000年から7000年前にフィンランドのフィン族が開発したといわれます。しかしもっと以前からユーラシア大陸には風呂は存在したことが知られています。サウナの原型や基礎ができたのは今から2000年以上前のフィンランドのガレリア地方だといいます。最初は食料を貯蔵したり、スモークするための小屋が、沐浴をする場所へと変わっていったそうです。
フィンランドでは、サウナは神聖な場所と定義されています。フィンランドの伝統に根付いたサウナは神話にも登場しますし、お産などでも用いられます。人口543万人に対してサウナの数が300万台以上あるといいます。国会議事堂にもサウナがあり、基本は一家に一つは必ずあるような感じです。日本のお風呂に似ています。
フィンランドのサウナ推進組織は、サウナが提供する5つの特長を定義しています。その特長は、①五感で感じること②自分自身に意識を向けること③リラックスすること④身体を清潔にすること⑤心身を健康にすることです。そして伝統的なものであることが言われているそうです。
これは日本のサウナに共通するものがありますが、入り方やそのメソッドまで定義されておりサウナがどのような場であるのかをはっきりしているように思います。
日本との共通点も多く、水着が多いヨーロッパでも裸で入る事、裸の付き合いで親睦を深めること、神聖で清浄な場であること、自然物を用いる事、自分を整える場所であることなどです。
改めて世界との共通点も観え、サウナの魅力を学び直しました。子どもたちが、古来からのお風呂の意味がどのようなものであったのかを伝承し、さらにお風呂のこれからの未来の発展と人類の場として大切な役割を果たしていけるように温故知新したものに挑戦してみたいと思います。