多様な働き方と理念の伝承

昨日、都内にあるコワーキングスペースを経営するWEWORKを見学する機会がありました。ここは、最近急速に日本でも展開が増えているコワーキングでデザインも統一感があり確かに場に理念を感じました。

具体的には自社サイトの理念にはこう記されています。

「​2010​ 年に WeWork を始めた時、私たちはただの美しいシェアオフィス以上のものを創りたいと考えました。それはコミュニティです。「Me」という個人として参加しながらも、より大きな「We」の仲間になれる場所。利益だけでなく、個人の充足感を尺度として成功を定義し直す場所。コミュニティの存在が、私たちに無限のインスピレーションを与えてくれるのです。」

個人の充足感を尺度とした働き方、そこには確かなつながりというコミュニティが必要不可欠であると定義されています。

元々創業者のアダム・ニューマンはイスラエルの人物ですが、キブツというイスラエル独特の集団農業共同体で小さな規模で100人大きな規模では1000人が共に暮らし、働いてきたといいます。

その思想がWeWorkやWeLiveの原型となるアイデアになったそうです。そのアイデアは暮らしのコミュニティの重要性を説き「暮らしのコンセプト(Concept Living)」と名付けられたそうです。

またその後、ビジネスパートナーでもあり映画監督でもあるレベッカ・パルトロウと結婚します。このレベッカとの出会いがユダヤの教え「カバラ」の影響を受け生き方に大きな影響を与えたそうです。

この「カバラ」とは、ヘブライ語で「受け継がれてきた伝承」という意味の言葉です。具体的には「思考は言語から生まれるのであって、言語から思考が生まれるのではない」と定義します。聖書にも「はじめにことばがあった。ことばは神と共にあった。ことばは神であった。」と記されていますが思想というものの本体に気づいたのかもしれません。

「働く=個人の充足感」という理念が今のコワーキングスペースの理念に通じているのでしょう。ここのタグラインには「やっと月曜日がはじまる!(Thanks God It’s Monday!)」と記されます。世間では、やっと週末だという人が多い中で発想を転換して仕事を働く仕合せに換えていこうという取り組みです。そのために月曜日が楽しくなるようなイベントやコミュニティをコミュニティマネージャーが展開しているともいいます。

これから多様な働き方改革で様々なコワーキングが誕生します。子どもたちにどのような理念を伝承していくことが大切なのか。ユダヤのカビラに学び、イスラエルのギブツに学びつつ、子ども第一義の働き方を深めてみたいと思います。