人類の創造する世の中は、道徳と経済のバランスによって保たれているともいえます。時代に時代によって、何を優先しているかで世の中のバランスが崩れていきます。今の時代は経済を優先し、道徳を後にしています。
二宮尊徳は、道徳と経済の一致を説きました。これは本来の道徳こそ経済であり、経済が道徳であってこそ本物の経済であるといいました。つまり道徳経済というものはすべて本来は一体のものであり無二であるということです。
それが今では、経済は道徳から離れた経済になり、道徳もまた経済から離れた道徳になっています。企業CSRを言われていますが、これは本来、どういう意味であるかということをそれぞれが深め直すことが大切だと私は思います。
だからこそまず取り組むことは、「徳」から考えなければなりません。徳とは、道徳と経済が一致した言葉です。この徳を磨き徳を高めることで、有徳の人たちが増えていきます。
有徳の人物が増えていくからこと、経済は富、道徳も豊かになるのです。まさにこれが富者有徳の原則なのです。
今の時代、これらのことが観えなくなっているかもしれません。しかし歴史を鑑みれば、藩政改革を行って成功した上杉鷹山もまたこの富者有徳の理念で人々を導きました。二宮尊徳もまた、心田開発といって人々から徳を引き出して徳の治世を目指しました。渋沢栄一もまた論語と算盤という言い方をしました。これは聖徳太子や、菅原道真、日本を創り上げてきた本質的な偉人たちみんなに共通するものです。
縁あって、金融の事にかかわっていますが私が本来、使命を感じるのはこの子縁といった子種、人類の子孫たちへの願いと祈りです。
引き続き、子ども第一義の理念で道徳経済一致を目指していきたいと思います。