現在の世の中はなんでも使い捨てるように動いているように思います。まだ使えるものでも、消費社会の中で消費していく。私たちのことを消費者とも呼び、常に何かを消費することで経済に貢献するという言い方です。
最近では、SDGsの関係からエシカル消費という言葉も出てきました。これは「倫理的」という意味で、倫理的消費という言葉に訳されます。簡単にいえば、できるだけ倫理的な商品を買うことで社会を変えていこうという言葉です。
具体的にはよく聞く言葉に「フェアトレード」や「オーガニック」や「地産地消」、「障がい者の支援につながる商品」、「応援消費」、「伝統工芸」、「動物福祉」、「寄付付き商品」、「リサイクル・アップサイクル」、「エシカル金融」なども言われます。
つまりただ単に消費するのではなく、消費に伴う文化的価値や社會をよりよくするであろうと思われる長期的な循環経済のために消費を見直そうということです。
現在は、使い捨て消費がいきついて資源が枯渇するまで消費しようとする世の中です。そのうち資源が尽きて限界に達し、循環する仕組みそのものまで崩れていきます。自然環境の破壊だけでなく、人間社会の関係もまた破壊されていきます。
そうならないように、如何に社會をよりよくしていくかというのは人間社会の最大の使命であり課題です。
私は今の消費というものを少しよくしようと考えても価値観の転換までは難しいのではないかと感じています。本来のあるべき姿は、自然から少しお借りしてお返ししたり、もしくは自然に対して私たちが貢献する分からの利子で暮らしを豊かにしていくといった先人の智慧こそこの時代の価値観を変える原点になるのではないかと感じています。
人間は生き方が変わらない限り、社會も変わることはありません。しかし言い換えれば、生き方が変わるからこそ社會もまた変わるのです。
子どもたちが安心して暮らしていける世の中にするために如何に今の世代が挑戦するかが大切です。新しい経済、新しい価値観、新しい時代を創造していきたいと思います。