昨日は、聴福庵でスイス人のトロンボーンの奏者と日本人の16歳の歌手のセッションがありました。言葉も通じず、年齢差もかなりありますがその二人が音楽を通して新しいものを創造する場に立ち会えたことは仕合せでした。
今回のテーマは、家の声を聴くことでしたがとても印象的だったのは奏者が即興で家の中のあちこちに音を聴かせ同時に家の声を響かせ聴くというセッションでした。家の中にある古い道具たちが共鳴しているようで、みんなで音を響かせようと誘っている様子に楽しい気持ちが沸きました。
また歌手の方は、むかしの懐かしい唄をアカペラで奏でてくれてその唄によって心に情景や情緒が沁みこんできました。純粋な想いや澄んだ歌声に家も参加者も魅了されました。
幼い子どもたちも一緒に音楽を楽しみ、色々な場所に移動しては色々な角度から熱心に聴き入っている様子に音楽の可能性を改めて学び直しました。
よく考えてみると、私たちの暮らしは様々な音に恵まれています。生きていれば、色々な音を感じています。このキーボードを打つ小さな音たちや、私の呼吸の音、そして心臓の鼓動、鳥たちの声や朝陽が昇る音、そして地球の音、あらゆるいのちの音を私たちは日々に聴いているのです。
日々に人に出会えば、それぞれの仕事の道具たちが奏でる音、そこで働く人たちが一緒に語り合い協力する音であったり、争いや不満の競争や孤立の音であったり、言語ではなく心は音で聴いています。
音を静かに聴けば、本当の音が聴こえてくる。
耳がテレビや電子音、その他の雑多な忙しい生活でセンスが衰えていきますが本来の私たちの耳は心を通じていのちの音を聴き分けていたのでしょう。
改めて音楽の深さや魅力を知り、いのちの接し方があることを学びました。子どもたちにいのちの音が伝承できるようにこれからも学び続けていきたいと思います。