日常という言葉があります。人は何を日常にしているかで、その中心の暮らしが分かってきます。人によって日常は異なり、どのような暮らしを日常とするかでその人の人生の質もまた異なってくるように思います。
苛酷に仕事をする人を日常だという人もいれば、ゆったりと趣味を味わう時間を日常という人もいます。人生のそれぞれのステージで、日常は異なり、それぞれの状況や環境の変化と共に日常もまた変わってきます。
そう考えると、日常とは変化が起きる前の姿になることを言うように思います。よく災害に遭う時、元の日常に早く戻れるようにといわれますがこれもまた変化の前の元の暮らしになることを意味しています。
人間は誰しもが穏やかに心安らぎ自分が過ごせる日々を求めているものです。それが変化があったことで、如何に有難い日々だったかに気づくというものです。
日常というのは、実はとても平凡ですが何よりも感謝や有難さ、仕合せを感じる時間であったということなのです。
人は変化があることで、改めて日常の有難さを知ります。実は当たりまえになってしまっていた日常こそが何よりも幸せな日々を送れているということをです。そう考えると、私たちは日常から離れてしまうことではじめて日常に気づくことができるのです。そして変化があるから、変化する前の状態に気づくということです。
変化というものは、変化する前後で人間はその時々の今の自分と向き合い、自分が何を大切にしているか、どのような人生を送りたいかなどを学ぶのです。
このままがいいといくら思っても、無常にも時は必ず過ぎ去っていきます。変わらない日々はなく、常に日々は変わっていきます。だからこそ変化に対して努力し精進して変わり続ける日々に対して、自分の日常を高めていく必要があります。
それは有難い日々を深く味わったり、かけがえのない日々を感謝で過ごしたり、その日、一日を人生の一生のように真摯に自分の心と共に道を歩んでいく必要があるように思うのです。
変化と日常は自分自身の人生に大きな示唆を与えてくれます。
心がマンネリ化しないよう、日常を磨き、日常を高めていきたいと思います。