現在、働き方改革ということで政府が進めているものは、テレビや報道でも「残業規制」「テレワーク(在宅勤務)」「副業・兼業」「同一労働同一賃金」等々、労働人口の増加を狙ったものであるのは見ているとすぐにわかります。
人口減少社会の中で、経済力を下げないように労働者を増やす必要があります。そのために、働き方を多様化しようという目論見なのかもしれません。実際には、画一的な働き方をしている企業や旧態依然の仕事の仕方をする企業などを批判したりしていますが、実際に霞が関の働き方が変わっていない中で説得力がないのもすぐにわかります。
さらに学校や福祉、そのほか、社会の下支えしているような大変な会社の方々をはじめ、伝統職人や厳しい現場で働く作業員の方々など、とてもこの働き方改革の目指すところとはかけ離れた現実があります。
そもそも一斉に同じように何かを施工していこうとすること自体が、すでにこれらの多様化という発想から外れているのであり、本来の多様化ということであれば現在の世の中の仕事を認め、それをきちんと評価し国家がそれをケアしたり、国民を大切に守っていくことで行われていくものです。
言葉遊びのような働き方改革では、人を大切に守ることはできないのではないかと私は思います。
世の中でブラックだとかホワイトだとか、そういうものを決めつけて批判したり評価するのもまた画一的な世の中にしていくことと何ら変わりがありません。その批判や評価が成り立つのは、競争原理があるからであり、競争を無理やりさせて厳しい環境で働かせているのだから働き方改革はまず前提としてそこから取り組むべきでしょう。
実際には人を大切にする経営をしている会社は、みんなで協力してすべてを守るように働きます。人を守り、社会を守り、未来を守り、国家を守り、子どもを守り、家族を守ります。みんなで、大切なものを守っていこうと人としての規範やモラル、そして生き方や人生を大切にしていくような社会になれば自ずから働き方は変わります。
それは世界に出て、他の国々を観に行けばすぐにわかることです。国家理念や国家政策が、どこを向いているのか。そして具体的に国民に対して、どこまで優しく大切にしているのか。それは国家の理念の優先順位が決めるものです。企業も教育ももともとはその国家理念に沿って取り組んでいく手段の一つであるからです。
まず道徳的であることは、すべての根本です。
働き方改革で本当に変えないといけないものは一体何か、子どもたちに譲り渡したい愛のために挑戦していきたいと思います。