人は頭で考えていても行動しなければ成果につながることはありません。それは天の道理として努力をした分だけしか成果が出ないからです。この天の道理は、現代の世の中では如何に楽をしてとか如何に便利にとかの価値観が優先されていますから無視されることも多いようになってきました。
農業なども天地の道理に逆らって、遺伝子を組み替えたり、機械を駆使し、合成肥料や特殊な農薬等を使うようになってきました。これまで数千年から数万年という歴史で紡いできたものをいとも簡単に壊して新しいものにしようとします。
しかしこれはその時は収量が一時的に増幅したように見えますが、必ずそのうち道理に逆らった歪によって収量が激減して絶滅していきます。
自然界というものは、決して人類がさわれない天の道理があります。この天の道理の中で人類も生きていますからそれに逆らったら生きていくことはできません。異常気象なども、人間にはなすすべがありません。だからこそ私たちは、今こそ天の道理の存在に気づき、改めてその道理を尊重することこそが進化であると私は思います。
天の道理を尊重するというのは、かつての先人たちが磨き上げてきた文化を尊重していくことです。もっとも自然の循環を邪魔せずに自分たちもその循環の中で、豊かに生きていくということ。天の道理を尊重してきた人類は、何千年も何万年も地球と共生し子孫を紡いでいきていくことができました。
しかしかつて同様に天の道理に逆らった文明はほとんどすべて滅んでしまいました。天は道理に逆らうと天敵が現われ滅ぼされていきます。そしてまた調和が訪れるという仕組みになっています。
人類の天敵は人類そのものですから、人類が自分たちの欲をおさえ徳を積むように天理に従い生きていかなければ天敵が自分たちになってしまいます。本来、人類も自然の一部でしたから天敵になるはずはありません。
天敵にしてしまうのは、自然の一部であることを忘れ自然から学ぶことを忘れてしまうからでしょう。自然には人間本来の姿を回帰させる様々なことがちりばめられています。日本人の先人たちも暮らしの中で自然を取り入れ、常に天の道理を学び直しながらその中で人類のあるべき姿を見つめ謙虚に文化を高めて磨いてきました。
まさに今は文化が減退し、人類も危険な状況になってきましたからもう一度、自然の叡智である「徳」を中心に据え生き方を見つめ直す必要を感じます。
引き続き、遠大な未来のために狂人や変人といわれようが我が道を進んでいきたいと思います。