得意分野

人間にはそれぞれに得意分野というものがあります。それはその人が興味関心があるものであり、それをやることが楽しいと思っているものです。それは上手い下手があったとしても、それ以上に本人が喜び、周囲を喜ばせるものです。

自分が興味関心があるものを究めていくなかで、周囲が喜んでもらえること。それが得意分野というものです。人は得意分野を伸ばしていくことで、周りが喜んでいけば次第にそれが仕事になっていきます。

私もコンサルタントという仕事をするようになるまでに、大変多くのことを取り組み究めようと努力してきました。様々な分野を自分の興味関心によって磨いていくと、それを使いたい人、それを用いたい人が現われ仕事として依頼されます。

いつものように楽しく興味関心をもってそれをやっていたら、相手がとても喜んでくれて友人たちに自慢しまた紹介してくれます。つまり、人はみんな自分の興味関心に素直になっていればどんな仕事であってもそれはみんなが喜ぶものにしていくことができるのです。

しかし、仕事が単なるやらなければならない窮屈なものにして興味関心と分けてしまうとどうなるでしょうか。当然、自分も楽しくないし、周囲も喜ぶことがありません。自分のやっていることに情熱を傾けられる人の周りにはいつも人が集まってきます。

その人は、自分が好きなことに没頭する時間が長く、そのことによって周囲の人もその得意を活かそうとお願いしてきます。そうやって取り組んでいるとさらにまたその得意が伸ばされ、気が付くと前人未踏といわれるようになるのです。

私はどんなことをやるのも、これもきっと大切な学びを体験させていただけるはずだといつもの通りに深めて意味を学びます。そうしていると不思議なことに、そこから意味が繋がりまた得意なことになってしまいます。得意になっているから、いちいち意味づけができて深く伝えることができるようになるのです。

改めて考えてみると、得意という字は、意を得ているとも書きます。その意味を得て取り組んでいるということでもあるように思います。その逆は、意を失うという言葉です。

どのような物事にも大切な意味があります。その意味を紡ぐように働く人は、自分の興味関心を手放すようなことはしないように思います。自分から単なる業務にしたり、仕方ないからやっていたり、やらなければならないからと言い聞かせたりするのは、失意と同じです。得意になることはないのです。

好きこそものの上手なれという諺がありますが、自分が興味関心があることの中で日々の出来事の意味をつなげていく、つまりはご縁を喜ばせるような生き方こそが、その人の持ち味を発揮させ、全体をよりよく活かす力になっていくのでしょう。

働き方改革とは、まず生き方の改革であり、意識の改革です。自分の意識がどうなっているのか、常に自分を楽しませながら新しいことに挑戦していきたいと思います。