人間は、数々の体験を通してどのように平和が大切かということを学び直していきます。戦争や悲惨な体験なども、その時代を生きた人たちが学びそれを後世の人たちが引き継いで改善していきます。
私も戦争は体験していない世代ですが、祖父母の兄弟たちは戦争で戦死しています。毎年その墓参りや掃除をすることで戦争の記憶と向き合い、少しずつ薄れてきている記憶を維持していくのです。
戦争で亡くなった方々のためにも自分がしっかりと生きなければと祈りますし、その上でなぜこのようなことが起きる人間の社會になったのかと向き合う切っ掛けにもなるのです。
現在、アメリカや中国がまた戦争状態に近づくような報道が流されており日本人としてこの時、どう捉えて行動するのかを思うと先祖たちの死を無駄にはできないという思いがします。
人間は忘れる生きものですから、どうしても忘れてしまいます。忘れるというのは、ある意味生きる上でとても大切なことですが、災害や戦争で亡くなった方が身をもって体験し得た教訓を子孫はしっかりと忘れずに受け継ぐ必要があると思います。
それは先祖が子孫たちにできることであり、子孫は先祖の死を大切に意味を持たせて供養し続けることでもあります。私たちが今、生きているのは先祖の体験の集積の御蔭です。どの役回りが自分に廻ってくるのかわかりませんが、もしも先祖が悲惨な体験の役回りをしたのであればその体験をしっかりと受け止めて正面から見つめてそれを活かすことで報われるように思います。
子どもたちが未来の時代に生きていくなかで、もしも同じ体験をすることになったとしたらどうでしょうか。ちゃんと世代の中でつないでいかなければそれが改善されず、また同じことを繰り返してしまうかもしれません。二度と同じことがないように、どのように改善するのか、それを生きられなかった先祖の代わりにつとめるのも子孫の大切なや役割ではないかと思います。
これからはじまる新しい時代、その時代が子どもたちに仕合せと幸福に包まれるように真摯に学び、改善を続けていきたいと思います。