生きものたちには生活リズムのようなものが備わっています。それは太陽や月、星の運行をはじめ四季や温度、あらゆる変化の中でも常にそれぞれのバランスを保つために微細に変化を続けています。
同じ温度、同じ光、同じ時間、そんなものは一つもなく、常に万物は流転しながら変化を已みません。その中で私たちは、生活リズムを持ち、自律神経を働かせ微妙に変化に合わせて調整、調律を繰り返していくのです。
よく考えてみたらすぐにわかりますが、季節の変わり目に体調を崩しやすいのはそれだけ周囲の環境が大きく変化していくからです。その中で、季節にあわせて空気も水も、風も、そして温度も光も気候も全部変化するのですからどこに照準を定めてリズムを整えるのかを生きものたちはみんな一生懸命に行っています。
その一つの方法が睡眠です。
睡眠はただ寝ているだけではないのはすぐにわかります。私たちは起きている時間は、頭を動かし神経を使って生活します。寝ているときは、それを休めて別の機能を働かせているのもわかると思います。病気になるときもしっかりと休んで寝れば、少しずつ回復していきます。
この睡眠というものは、単なる 寝るではなく生活リズムを整える意味もあるのです。この生活リズムとは、色々な定義がありますが私にすれば人間に限らずあらゆる生命たちがバランスを保つことをいいます。言い換えれば、バランスを調律調整する、本来の今の状態に合わせていく、全体の自然の中で自分自身が健康であり続けるためにいのちのハタラキを整えていくとも言えます。
私たちは五感で今の季節を味わえます。
たとえば、食であれば旬のものを食べれば全身が美味しいと喜びます。他にも、心地よい自然を感じる、時には不快な自然の中にも今の季節を感じ取ります。臭い、色彩、音、これらはすべて自然の運行や周期を現しています。
その時々で存在している自然のものに触れることで私たちは季節を感じて、日々を味わうのです。その中でも、大切なことはそこに好奇心を持つことです。好奇心は自然のリズムの中心でもあり、生活リズムを整えるためには何よりも重要な役割を果たします。
みんなでよく笑い、楽しく愉快に生きていく、そして暮らしの中で豊かに過ごす時間がたくさんあるということ。それが何よりも生活リズムを整える妙法なのです。先祖代々、私たちがここまで永く暮らしてこれたのはその生活の知恵、暮らしの仕合せを生きてきたからです。ハレとケもまた、その智慧の一端でしかないのです。
暮らしフルネスは、これからの人類に大きな影響を与えます。人類が乱れた生活リズムをどう整え、自然と調和していくか。子どもたちの未来のためにも私のこの実験が世の中の人々の意識が易えていけるよう丁寧に暮らしを甦生していきたいと思います。