写真家のエバレット・ブラウンさんとのご縁で、これから法螺貝を立てる練習をはじめることになりました。今まで何度か、法螺貝に触れる機会がありましたが吹いたのははじめての機会になりました。不思議と最初の一吹き目で、非常に高い音で長く響いたため、向いているからやったらいいといわれ始めることになりました。結局、人はいくら興味関心があってもそのタイミングやご縁が成熟して醸成されなければ事ははじまることはないのかもしれません。
善いご縁ではじまる何かは、先々のことを予言していきます。どのような未来がはじまるのか、ワクワクしています。
今回、法螺貝を始める前に少し法螺貝の知識を深めてみようと思います。この法螺貝は一般的にはホラガイ科の巻貝のことで、巻貝の中では最大の部類に属し、海中ではオニヒトデを食べていて、貝の肉の部分は刺身などの食用に、貝殻は楽器などに使われています。
またデジタル大辞泉で法螺貝を調べると「フジツガイ科の巻き貝。日本産の巻き貝では最大で、殻高30センチ以上になる。貝殻は紡錘形で厚く、殻口が広い。表面は黄褐色の地に黒褐色などの半月斑が並び、光沢がある。ヒトデ類を餌とする。紀伊半島以南の暖海に広く分布。肉は食用。ほら。」また「殻頂を削って穴をあけ、簡単な吹き口をつけたもの。修験者が山中で猛獣を追い払うために吹いたほか、法会や戦陣における合図などに用いた」とあります。
大きなものでは40センチ以上あり、見た目以上に大きな音が出ることから大げさなことを言うのを「ほらを吹く」と表現するようになったそうです。
山伏といえば法螺貝、法螺貝といえば山伏が連想されるように修験道にとって法螺貝はとても大切なものだといいます。具体的には「立螺作法」(りゅうらさほう)と呼ばれる修行もあるそうで乙音(低音側)、甲音(高音側)、調べ、半音、当り、揺り、止め(極高音)などの調子を様々に組み合わせ獅子吼に擬して仏の説法として鳴り響かせながら悪魔降伏を行ったり、山中を駈け巡る修験者同士のお互いの意思疎通を図る方法としても使われるそうです。
この法螺貝を立てることを「吹奏(すいそう)」「吹鳴(すいめい)」「龍鳴(りゅうめい)ともいい、その人たちのことを、立螺師(りゅうらし)とか吹螺師(すいらし)とも呼ばれるそうです。
また師匠から伝承された法螺貝は命より大事なものとして扱うという言い伝えもあるそうです。具体的な立て方としては、丹田にしっかりとチカラを入れて、気を吹き込むこと、デリケートな楽器なので真心や霊性が影響があると教えていただきました。
これから10年くらいかけて、新たな法螺貝と共に心技体の調和を楽しんでいけたらと思います。
ありがとうございました。