2024年上半期くらいより新紙幣として、北里柴三郎さんが登場します。日本細菌学の父と呼ばれていることは知っていましたが、暮らしフルネスを続けていく中で何回もその言葉に鼓舞されます。
現代は、コロナウイルスだけではなく精神疾患も増えていて心身を病んでいる人が増えてきています。社会の仕組みから、自分らしくいられなかったり、個人主義の歪みから自己をうまく守れなかったり、実際には根深い問題が関係しています。
しかしだからこそ、それを悪とせず、その状況を活用して新しい生き方や働き方を創出し、暮らしによって心身をととのえていく喜びや仕合せを広げていけるということでもあります。
人間が心を蝕まれれば、それが対立や差別を生み戦争を巻き起こすこともあります。その心の病気は体の病気の影響もありますが、やはりまずは心の健康を維持するために予防していくことが第一だと私は思います。
これからIT化がますます進み、この課題は必ず人類の発展に大きな影響を与える問題です。それに気づいた人たちが、力を合わせて心の世界を科学的にも非科学的にも調和させていく必要があると私は思います。
先ほどの北里柴三郎さんはこうもいいます。
「医学の使命は病気を予防することにある」
現在の医療は、病気になった後に行う医療ばかりです。本来の医療は未病にこそあり、病気にならないことがもっとも病気を制しているのがわかります。人間は多かれ少なかれ必ずなんらかの病気を持っています。その病気が悪化しないような暮らしを行うことで、予防ができ医学も進歩すると私は思います。そのためにも、暮らしフルネスが必要なのです。
もう一つは、こうもいいます。
「事を処してパイオニアたれ。人に交わって恩を思え。そして叡智をもって実学の人として、不撓不屈の精神を貫け」
そして、
「研究だけを、やっていたのではダメだ。それをどうやって世の中に役立てるかを考えよ。」
まさに今は、この言葉が心に沁みます。まずは具体的に取り組んできたことを形にしてみんなができるように役立てることであり、研究ばかりをしていてはいつまでも何も変わりません。そもそも何のために研究するのか、それは世の中に役立てるためです。
カグヤで取り組んできたことの様々な実践や、様々な社内の研究はすべて子どもたちや社会のために役立てようと真摯に資金も時間も人員も投入して取り組んできたことです。
それを今こそ、世の中に役立てるようにしていく時機であり何のために会社をやってきたのか、何のために働いてきたのかが問われる場面でもあるのです。
初心を忘れずに、今までの成果をご照覧いただけるように「役立てることだけ」を考えていきたいと思います。