聴くことを磨く

人はそれぞれに視点というものを持っています。この視点はその人の生き方が大きく影響をしているように思います。人それぞれに視点が異なりますから、視点を合わせていくと360度全体から事実を観察することもできます。

よく意見を対立させていく人もいますが、本来はどちらかではなく、どちらもいいねと相手の声に一理あると理解できる寛容さがある人がアイデアを形にしていけるように思います。

そして視点を磨いていくには、よく話を聴いていく力を身に着ける必要があるように思います。視点は目を使う機能ですが、実際にはよく傾聴できる人の方が視点を持っているのです。

話を聴くというのは、そういう考えもあると共感し受け容れる力が必要です。そしてその意見をどうとらえるか、そこに感謝する力も必要です。いただいた言葉をそれは正しいとか間違っているとか裁かずに、ありがたい意見ではないかと聴き入れていれて参考にできること。それを繰り返す人は、自然に意見が集まってきて新たな視点を持つことができるように思います。

一方的に間違っていると否定されたり、考えを押し付けられたりすることはみんな嫌うものです。それは自分の考えが尊重されていないと感じるからですし、考えに服従しなければならないなどと不満に思うからです。

しかし実際に話をよく聴いている人は、それを採用しなくても聴いてもらったという実感があればその問題は解決します。つまり人は、尊重されることに納得しているのです。

この尊重しあう関係とは、お互いが謙虚である必要があります。それは誰かだけが偉いのではなく、お互いに善いところがあると認め合い、それぞれの魅力や力があることを信じるという生き方が必要です。

苦労をしてきた人や多くの人に助けてもらってきた人ほど、生き方が謙虚です。それはその存在にいつも感謝でき、自分一人ではなく多くの方々の見守りの御蔭で今があることを信じているからです。

いつも人の手助けが入る人は、多くの手助けをいただいてきたと実感してそれに感謝して報いようと生きる人です。私自身も振り返れば本当に多くの人たちの支援や協力、手助けを得てここまでこの世を渡ってこれました。

奢らず謙虚に素直に聴くことを磨いていきたいと思います。