マインドセットを替える

人間は主体的でなければすぐにその時代の価値観や周囲の常識に意識がマインドセットされてしまうものです。前提がどうなっているのかということを考える前に、思考停止してしまうように思います。

特に心の余裕が失われれば、自分で主体的に判断する時間も取れませんから周囲の価値観によって流されてしまうものです。自分で考え続けるというのは、常に自分の初心と向き合い一つ一つ選択して判断していく必要があります。

それはなぜ?と考えることや、そもそもと考えること、何が本質なのかということを突き詰める作業に似ています。哲学ともいうのでしょうが、本来は自分はどうありたいのか、本当は何をしたいのかということを生きようとする。それは魂の開放でもあり、魂の昇華ともいうように思います。

このマインドセットとは何かを辞書を引くと「マインドセットとは、経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態。 暗黙の了解事項、思い込み(パラダイム)、価値観、信念などがこれに含まれる。 マインドセットという言い方は、人の意識や心理状態は一面的なとらえ方はできず、多面的に見てセットしたものがマインドの全体像を表しているということから来ている。」とあります。

例えば、その人が過ごしてきた環境が現代のように経済優先の世の中ではないところで暮らしていたらその人の流れている時間軸はまた別のものになるという具合です。現代はスピード社会で競争対立する仕組みが動いていますからみんな時間がありません。スケジュールに追われ忙しくするのは、効率よく経済効果を発揮しないといけないから即席ですぐに成果がでるものばかりをモグラたたきゲームのようにたたき続けて余裕が生まれにくいのです。そしてその余裕も、経済的余裕を追いかけるばかり心のゆとりや余裕も生まれにくくなっています。

このような日々を過ごせば、マインドセットされているものから抜け出すことができなくなります。本来の余裕とは心の豊かさですが、それを持つためには現在マインドセットされている自分の観念や意識を転換する必要があります。それは環境を変えることや暮らしを変えることで得られるものです。私が体験を重視するのは、そのマインドセットを超えさせる機会と場が必要だから行っています。

本来、私たちはどのような暮らしをしているのかをよく観察すればそこにあるマインドセットをある程度は見抜くことができます。生き方は暮らし方ですから、暮らし方が変わっているというのはその人のマインドセットもまた変わっているともいえます。

根底や根本に合わせていくためには、まずはそれまでの前提を取り払う必要があると思います。子どもたちのためにも、前提を超えた場を創造して、そこに触れることで暮らし方を丸ごと転換する仕組みを提案していきたいと思います。