仕事の本懐

グラハムベルという人物がいます。この方は、19世紀のイングランドの発明家で電話を発明し世の中に広めたことで有名です。同時にヘレンケラーの恩人でもあります。

「奇跡の人」と呼ばれることも多いヘレン・ケラーは1880年にアメリカ・アラバマ州で生まれたヘレンは1歳半のときに「しょう紅熱(子どもに多いとされる発疹性伝染病)」と考えられる病気で聴力と視覚を失いました。そのヘレンケラーの父親がグラハムベルに教育の相談をしこの時に紹介した人物が家庭教師のアニー・サリバン(サリバン先生)となります。

もともとグラハムベルは、母親が聴覚障碍者であり自身もその聴覚障碍の学校の先生を生涯務めながら数々の発明をしていきました。自分のやりたいことに実直で、一生をかけて自他を世界に貢献できるように福祉の本質を生きました。そもそもこの電話の発明も、聴覚障害の妻のために研究していた補聴器から発明されたものともいえます。

電話が遠隔地へのコミュニケーションをとるための道具ではなく、このころは耳の聴こえない人たちとのコミュニケーションをとり閉ざされた世界を広げるために開発されたと想像するととてもロマンがあります。

いくつかグラハムベルの言葉を紹介します。

「どんな仕事をやりたいか自分で見出して、ただ一心に打ち込むことだ。人より一歩先んじたければ、自分の将来の方針は自分で決めるべきだ」

「1つの目標達成は新たな目標の出発点だ」

「自分に本当に向いた、本当に心から打ち込める仕事から、働く意欲と励みを見出して、成功への道を踏み出すことだ」

「目の前の仕事に集中せよ。太陽光線も一点に集中しなければ、発火しないのだから」

「どんな仕事をやりたいか自分で見出して、ただ一心に打ち込むことだ。人より一歩先んじたければ、自分の将来の方針は自分で決めるべきだ」

ここから自分の役割を楽しみ取り組んだ人生の姿が見えてきます。特に仕事を通して、よりよい世の中を創ろうをした。その純粋な姿が見えてきます。本人は最期まで自分のことを、聾学校の先生ですと紹介していたそうです。

聞こえない世界を開き、聴こえるように導き、語ることがなくなった人たちに語ることの素晴らしさを教えた人物。まさに、発明は道具の方ではなくこの方の生き方だったように思います。

歴史の人物から学び直すのはその生き方です。今の時代にも変わらない大切なことを、時代を超えて吸収していきたいと思います。