リーダーの育成

組織にはリーダーが存在します。そのリーダーは、もちろん最初からリーダー資質を持っている人もいますが実際にはリーダーを組織が育てていくものです。それは国家も同様で、いい国家のリーダーを育成にするには国民一人ひとりによるリーダー育成が必要でもあります。

もしも組織が能力だけが優れているリーダーを求めれば、リーダーは自ずから能力がもっとも長けている人物が選ばれます。それとは別に、もしも組織が徳の高いリーダーを求めれば徳の高い人が選ばれるのです。

そう考えてみるとリーダーはその人だけのものではなく、リーダーを囲む人々があって存在することがわかります。つまり徳の高いリーダーの周りには、徳を磨き続けている仲間がいるということでもあります。これは論語の別の解釈にもなりますが、「徳は孤ならず必ず隣あり」なのでしょう。

自分があるのは、周囲の人間たちの人間学がともに優れているということ。つまり一緒に人間学を磨いていけば、自ずから徳の高い人たちが増えていく。その結果として徳の高いリーダーが誕生し、善い政治を実践してくれるということでもあるのです。

徳を持ち、才を活かしあうことができればその組織は必ず一致団結して目的を達成していけるように思います。そのために、組織は常に学び続ける組織になっていることが肝要ということになります。

それなしに、誰か特別な才能や徳のあるリーダーだけを求めるというのは都合のいい話でそれは単なる依存ということにもなります。自分はやらずに、リーダーだけを勝手に求め、そこで善い政治をしてもらおうとする。そんなことでは自分にとっての都合のいいリーダーを育成したということになります。そうすると、都合が悪くなるとすぐに文句を言って切り捨てて挿げ替える。これをしていたらそのうちリーダーからもそういう対応を取られ自分もすぐに切り捨てられるようになります。相手のせいではなく、自分たちがまず組織を磨いていこうと努力精進するところに組織のリーダーが醸成するものだと認識する必要があるのです。

そのために、リーダーをはじめ組織の一人ひとりがどのような政治をする組織を目指すのかを決める必要があります。私の場合は、子どもたちの憧れるような社会=会社にしていますからそれが実現できるようなリーダーや組織を目指していきます。その中で、どのような生き方をするのか、何を優先して取り組むかなど、自己との調和を通して理念を磨いていく組織になっていきます。

話をまとめると、大切なのはどのような社会にしていきたいか、そのためにどのような人物であろうとするか、それを全員で共有して取り組んでいくことが最終的にはリーダー育成をしたということになるということです。

道を歩んでいく中でみんなで力を合わせて善い時代を築いていき、それを次の世代へとつないでいきたいと思います。