治癒の有難さ

私は大人になってもよく怪我をするタイプで、痛い思いをすることが多いように思います。何かに没頭したり集中していると、注意力が散漫になってしまっているのかもしれません。動作の激しさなどもあり、小さい頃から落ち着きがないといわれましたがスピードが速い分、色々と雑なところもあるのかもしれません。

ただ怪我をすると痛いので「またやったか」と反省しつつも、懲りずにまた怪我をします。過ぎてしまえばまた忘れるので痛みに懲りないタイプなのかもしれません。しかしその分、自然治癒力のことなどに感謝する機会もまた多いように思います。

少し怪我のことを深めてみます。

怪我でも軽いものは時間が経つと自然に治っていきます。今月は打撲に切り傷に色々と怪我をしましたが、今ではだいぶ回復して打撲も治まり、切り傷もきれいに治ってきています。私たちは何か怪我をすると自然治癒によって身体が回復させていきます。

例えば、皮膚の損傷であれば血管が断裂するので出血をします。その損傷に反応して血液を固め止血をするために血小板が働きます。そして血小板は最近よくコロナで聞く機会が多くなったサイトカインという物資を出します。このサイトカインが、血管から白血球やマクロファージといった貪食細胞を含んだ滲出液を分泌させ傷口の細菌や汚染物質を除去してくれます。このサイトカインは主にインターロイキン類、インターフェロン類、ケモカイン、造血因子、細胞増殖因子、腫瘍壊死因子に分類され人間の体内には約800種類存在していて今でも新たな発見が続いているといいます。そして最後に皮膚はマクロファージからの細胞成長因子により線維芽細胞や表皮細胞などの組織細胞が増殖して傷を修復するのです。

こうやって私たちが気づかないうちに、身体の細胞が怪我を修復させていくのです。もちろん大怪我になると治癒が追いつかず外科手術や薬が必要になります。ただ小さな傷や打撲、病気は自然に治癒してくれるのです。

そう考えてみると、自然に体に感謝の気持ちが湧いてきます。毎日、何かしらの怪我や病気、炎症を起こしているものをきちんと修復してくれます。今の私たちが大人になってこうやって活動できるのも体の御蔭です。自然治癒は、いつも私たちを守ってくれているのです。

これは自然界でも同じで、小さな傷や怪我は治癒をしてくれています。そのことに気づき、私たちは治癒を邪魔しないような環境を創っていく必要があります。なぜなら治癒してくれるのは当たり前のことではないからです。

この有難い機会から学び、子どもたちに安心できる未来を体験から伝承していきたいと思います。