銀杏の効能

今が食べごろで旬の味覚に銀杏があります。拾いたての銀杏の味は格別で、ついつい食べ過ぎてしまうものです。しかしこの銀杏は、中国では漢方で使われるように薬です。薬は、効果もありますが副作用もあります。良薬苦しで効果がある分、毒になるところもあります。

例えば、銀杏の生の実にはメチルピリドキシンという毒性があります。よく銀杏の実を食べすぎると、嘔吐、下痢、呼吸困難、けいれんなどを起こすことがあるといわれます。これは一般的には「銀杏中毒」と呼ばれているものです。これはメチルピリドキシン自体がこのような症状を引き起こすのではなくこの成分がビタミンB6とよく似た構造のためビタミンB6の働きを阻害してしまうことがわかっています。そこから「ビタミンB6欠乏症」を起こして中毒になるといわれているのです。

大人でもいくら美味しいといっても一日、10粒以内にしておいた方がよいそうです。しかしついつい食べてしまいますが。。

それでは効果の方はといえば、かなりの凄さです。具体的には・エネルギー・水分
・タンパク質・脂質・βーカロテン・ビタミンB1・ビタミンB2・ナイアシン・ビタミンC・炭水化物・カルシウム・リン・鉄・カリウムと、これらが豊富に入っています。もはや健康サプリの代表のような栄養価です。

有名な効果には高血圧と動脈硬化予防があります。これはカリウムが血中内のナトリウムのバランスを整えるからです。またナトリウムを水分とともに排出し高血圧や動脈硬化の予防と改善も行います。ナトリウムは水分を引き寄せる効果がありむくみの原因にもなりますがこれもカリウムの効果でむくみを改善するといいます。

そしてビタミンB群やナイアシン・パントテン酸には疲労回復効果が有名です。ビタミンEは血行促進効果もあり疲労回復と栄養補給もできます。そして女性に嬉しい効能は美容効果があることです。この銀杏のビタミンCにはメラニンの生成を抑える効果やお肌を美しく保つ効果があります。血流もよくし冷え性改善にもなり、タンパク質は健康的な髪や爪、お肌を作るといいます。抗酸酸化作用もあるので肌荒れやニキビの予防になるといいます。そしてβーカロテンは、ターンオーバーの促進や皮膚粘膜の保護もします。

またコロナのこともあり、これからは風邪の予防にもなります。銀杏に含まれるパントテン酸は、免疫抗体を合成する効果があります。そしてこのビタミンCが免疫機能に関係する白血球の働きを活発にすることで免疫力がアップするのです。いざ風邪をひいても喉の痛みを抑えて、咳を鎮める効能もあります。

あとは、ボケ防止が有名です。銀杏の実だけでなくイチョウ葉茶は、痴呆症・認知症・記憶力低下・アルツハイマーなどに効果があるといわれます。お茶にして煎じています。ヨーロッパでは、イチョウ葉エキスが脳血管障害に著しい効果を発揮するとされていて、研究が進んでいるといいます。この成分ギンコライドは、他の植物には含まれていない、イチョウ葉特有の成分で血管拡張作用や血栓溶解作用があり、脳の血流を良くすることが確認されています。脳障害が起きる前に、イチョウ葉茶を継続的に飲むことが、認知症やボケ防止につながるといわれています。

他にもあるのですが、少し深めただけでもこの効能です。それはむかしの人たちはこの樹を大切にしたのがよくわかります。寺院にも多いのもまた、薬として人々を治癒していたからでしょう。むかしの山伏をはじめ僧侶は、医者としても人々を救ったとあります。納得するものばかりです。

今週末は銀杏拾いをしますが、その効果効能もお伝えしながら皆さんと懐かしい時間を過ごしていきたいと思います。