今朝、ニュースで今年のノーベル物理学賞の受賞者に日本人の真鍋叔郎さんが選ばれたとありました。日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて28人目になり物理学賞では12人目になるといいます。
この真鍋さんは愛媛県四国中央市の出身で、東京大学で博士課程を修了後、アメリカの海洋大気局で研究を行ったあと大気と海洋を結合した物質の循環モデルを提唱し、二酸化炭素が気候に与える影響を世界に先駆けて明らかされたといいます。
気候温暖化は、決して単なる偶然ではなく、二酸化炭素濃度の上昇が関係しておりこれは人為でそうなったと科学的に証明されたということが大きな成果であるとも感じます。
現在、気候変動が日増しに激しくなり地球全体で大きな自然災害が増えてきています。南極の氷もとけ、海洋の流れも変わり、地上も干ばつが続き、新たな感染症も増えてきています。
その原因となるものを科学的に証明することは重要で、今の時代のように可視化されたものを信じる時代においては人々の関心や取り組みを変える大きな一端になると思います。
ちょうど真鍋氏のインタビューがあってそこに大切なメッセージがありましたので紹介します。
「やはりこの研究がもとは好奇心からスタートした。だから、今の日本でも世界でも、はやりの研究テーマでコンピューターを使って結果を出すという形でやっているが、本当におもしろい研究は好奇心から出た研究が大事だ。日本の若い人たちも好奇心ばかりで研究をしていたのでは研究費が出てこないかもしれないが、そこのバランスを上手に考えてやらないと、時代の流行に流されておもしろい研究は絶対にできない。そういうところに焦点を置いてやることが重要だ」
研究費がどうかではなく、やはり好奇心が先であること。おもしろいん研究は時代の流行とかに流されてはいけないと。自分が面白いと思うこと、まずはその好奇心を優先することではないかと私も感じました。
確かに現代は、この世界の仕組みの構造上、理屈や正論、世の中の流行や時代にとってのメリットや安定などをそれなりに並べて何かをしようとすることが増えているように思います。
しかし本当にやり遂げられるような大事なことは、自分を信じて自分の好奇心を大切にしていくことのように思います。好奇心を持ち続けていけば、それは損得抜きで面白いことに没頭でき、その成果として前人未到の境地を得られ個性を発揮することができます。バランスが大事ともありますが、まずは好奇心をもって取り組み、そこから後を調整するくらいの方が矛盾を内包でき両義性を保てていいのかもしれません。
なんとなく日本の閉塞感のある受験勉強ばかりの様相の中で、子どもたちや若い好奇心を持つ人たちを元気になるためのお手本になるようなノーベル賞になったようにも私は感じました。私も子どもたちが憧れるような世界に向けて、その一つのモデルになれるよう好奇心を爆発させていきたいと思います。