行事の本当の意味

私たちは様々な年中行事という文化を持っています。保育園や幼稚園をはじめ、老人ホームなど、生活の中で行事は当然のように実施されていきます。最近は、イベントのように行事は使われていますが本来は日本人の心を守るためのものだったのではないかと私は感じます。

その理由は、すべての行事が感謝に関係していることからです。私たちは、何のためにそれをやるのかという理由を持っています。そして行事であればその行事がはじまった理由があります。その理由は初心でもあり、その初心を甦生し繰り返していくなかで智慧や真心を伝承していくのです。

なんとなく忙しくなり、とにかくやるだけ続けていくなかで簡素化していくとその本質や意味が失われていくものです。だからといって、ガチガチに形を決めてそれをただやっていたら行事で疲れてしまいます。本来は、自然体で行事をし、そのまま感謝で実施されていくのが一番です。

しかし自然体であるためには、日々の暮らしの方をしっかりと維持していることが重要です。そもそも行事は、暮らしの中での行事であって決して暮らしから外れた単なるイベントではありません。これは暮らしの節目に感謝していくものでありその節目に心をなくさないように、先人への感謝を思い出すようにと豊かに取り組んでいくものだと私は思います。

豊かさというものは、心のゆとりでもあります。心のゆとりとは、感謝の心を持っていることであり、決して時間が暇になることではありません。ゆとりがあるというのは、心が感謝で満ち足りているということです。

世間ではゆとり教育とかいって、テクニックや方法論ばかりが議論されましたが本来は日本人がもっていた心のゆとりの回復であったのではないかと私は思います。そのためにまず必要なことが行事の改革であるというのは私の直観する本筋です。

時代が変わっていくなかでも大切なものはいつまでも失ってはいけません。

その大切なものを甦生させ続けていく、伊勢神宮が式年遷宮をするように、神道では常若という実践があるように、これは日本の先人たちがいつまでも子孫のためにと祈り続けてきた一つのカタチなのです。

行事の本当の意味を知ることは、私たちのルーツと未来をつなぎ永続させていくことです。子どもたちの未来のためにも、暮らしフルネスの大本命の一つ、行事の改革に今年から本格的に取り組んでいきたいと思います。