英彦山の不老園の甦生をしていくなかで、深めていると不老不死の霊薬の物語に出会います。日本各地でも徐福伝説などは有名ですが、竹取物語のかぐや姫のなかに不老不死の薬の話が出てくるのは新鮮でした。
日本の富士山の由来が、このかぐや姫の物語からという説もあります。これはかぐや姫が月に帰るときに帝に「不老不死の秘薬」を渡します。しかし、かぐや姫が月に帰ってしまって悲しみに暮れて生きる希望を失った帝は、日本で一番高い山の山頂でこの「不老不死の秘薬」を焼いてしまいます。この不老不死の薬を焼いたことから「不死山」となり、鎌倉時代に今の「富士山」になったというのです。
今でも富士山に「溶けることのない雪(万年雪)」が残っていたり、きりが立ち込めているのは、「不老不死の秘薬」を焼いたためだと言われているともいいます。
私はあまり不老不死には興味がないのですが、むかしの権力者たちは不老不死を欲しがったのは歴史でもわかります。実際には、ストレス過剰な状態で不安だったからこそこのような薬に憧れたのかもしれません。
現代も、様々な病気が蔓延しています。感染症をはじめ、精神病、本当に病気だらけです。健康である状態を維持するには、未病を心がけていく必要があります。不老不死で死なないというよりも、普段からどう健康を保つかを学ぶ方が知恵のようにも思います。
むかしの山伏や修験者たちは山で暮らし、健全な心身を保っていたといいます。それが仙人のように里の人たちには観えたのかもしれません。そういう知恵を多くの人たちに伝授しつつ、見守りました。
もしかしたら自然や山と一体になって暮らし、元気で豊かに生きた人々の様子に永遠のいのちを感じたのかもしれません。
不老不死とは何か。
それは永遠の幸福を保つ生き方、私の言う暮らしフルネスだったのでしょう。
子どもたちに、先人たちの知恵が伝承しより豊かで健康的な世の中にするため徳循環の仕組みを実践していきたいと思います。