仙人苦楽部の第一回目が無事に開催することができました。志のある仲間たちが各地から参加してくれて、温かい雰囲気で知恵を分かち合うことができました。むかしの学校、むかしの真似び方を体験できる素晴らしい機会にもなりました。
オンラインなども要望がありましたが、やはりこの「場」の中にこそ言葉では語りようのない非言語の対話もあり、意識を通じ合わせることでしかわからない波動のような身体感覚を味わうことができます。
人のご縁というものや場との出会い、時空との邂逅というのは私たちが言語を持つもっと以前から私たちに備わっている大切な感覚です。その感覚を取り戻していくなかで私たちは現代人にとって失われつつある知恵を甦生させていけるように思います。
今回は、夕方からの開催でしたので伝統的な神事を実践しているむかしのお米を小豆と一緒に炊いて発酵させた酵素玄米のおむすび。このおむすびも息子が丁寧に真心を包んでくれました。また聴福庵で8年間付け足しながら育ててきた無農薬大豆で吉野杉樽で発酵した手前味噌でつくった豚汁。あとは友人のミソラボさんのお手製の肉味噌と、野草を楽しむ音さん夫妻のウーロン茶や実家の野草茶などを振る舞ってくれました。
その後は、7歳の子どもが法螺貝を一緒に披露してくれて場をととのえました。これらはオンラインでは体験できないものです。
豊かさというものや仕合せというものは、「場」を通して実感することができます。そしてその場の中には、あまりに深く複雑な意識が統合融和してみんなが共感しあえます。これもまた知恵の仕組みの一つです。
人間は、仕合せを感じたり安心を感じると免疫が高まります。認知脳ばかりを使って疲弊していますが、その分、思い込みばかりが先行してなかなか心が安まることができません。思い込みではなく、心を開いていくには同じ場で釜の飯を食べるというのもまた一つの先人の知恵でしょう。
私たちは知恵をもって生きてきましたし、その知恵を先祖そのもののように大切に供養して使い続けてきました。いつまでも知恵と共に先祖が生き続けられるようにと、子孫を見守り続けてきたのです。
子どもたちがこれから100年、1000年と生き延びていくためにはこの先人の見守りを伝承していくしかありません。短期的な文明の発明品にのみ頼ってしまったら、何世代もかけて得てきた知恵の力を借りることができなくなります。子どもの仕事をしてきた私たちだからこそ、本当に人間の生きる力とは何かを突き詰めてきました。
この場、この山、この人と三位一体になってこれから新たな道を切り拓いていきたいと思います。