マインドフルネスの知恵

昨日から暮らしフルネスの研究でアメリカから来庵されています。こちらの方は、幼い頃に仏教の本を読んで興味を持ち、学生時代に西本願寺に留学をしそのあと大学でマインドフルネスの研究を通して博士論文を書いておられます。

お話をお聴きしていると、修行や座禅が心地よくそこからマインドフルネスに没頭していったといいます。この心地よいという感覚は、精神がととのっていく感覚と似ています。一日活動をして、ゆっくりと眠ります。その眠りのときは次第に交感神経と副交感神経がととのっていくので心地よいと感じます。

私たちは、この心地よいという感覚を通してバランスのことを直感します。

例えば、現代は頭や目を酷使する生活をしています。目で追いかけて脳が処理するという生活を続けていくと、心身の一部に負荷がかかって疲労していきます。その疲労がたまってくると、バランスが崩れて心地よさが失われていきます。

そういう時に、頭や目を休め他の感覚を使うことで心地よさも戻ってきます。このバランスを保つというところの知恵こそが、私の暮らしフルネスの実践でもあります。

人の心はいろいろなことを思い浮かべてきます。その心が感じていることに従い、初心を忘れずに歩んでいくと心がどうしたいのか、何をしたがっているのかが少しずつ実感できるようになります。内省や内観をしていると、本当は何をしたいのかということを思い出します。

言い換えるのなら、煩悩というのはこの世の色々な出来事や外からの影響が出ますから色々なことを考えているうちに初心を忘れてしまうことに似ています。その初心を忘れないようにするために、日々に心身の掃除をしていく。そしていつもととえた環境を用意する。そういうことを繰り返していく中で、心地よい暮らしができるようになってきます。

この心地よい暮らしは、初心に充たされる暮らしでもあります。

初心を伝承し続けることで、私たちは自分というものの存在を丸ごと活かすことができます。お寺でなくても、宗教がとくになくても、自分の初心や生き方を通して修行はどの場所でもどの時間でもできるように思います。

子どもたちにも初心が伝承していく知恵を譲り遺していきたいと思います。