基本の深化

先日から続けて創作料理を食べる機会を得ています。創作料理の定義は基本となる料理の伝統や文化を守りながら新しい味への挑戦で生まれた料理といわれます。これは伝統と革新と同様に、温故知新、復古創新したものということになります。

基本を知っているということが大前提ですが、場合によっては身勝手な料理になっているものを創作料理という人もいるように思います。何かが足りないと思うのは、その基本が身についていないということがあるように思います。

基本というのは何か、それはテクニックの基本もあればそのものの素材や成り立ちの基本というもの、さらにはその取り組む際の基本というように、基本にもあらゆる基本があります。

その基本が全部丸ごと自分のものになっていることではじめて基本は身についているということになります。基本が身に着くまでには長い年月が必要です。なぜなら基本は、頭や知識でわかるものではなく長い時間をかけた経験と知恵によってはじめて獲得するものだからです。

基本は探求心が重要になるように思います。よくこだわりが強い人が基本をよく理解しているように、とことん追求していくのでそのものの基本の起源や根源的な意味、そして素材の持っている価値などを深めていきます。そういうものを深めていくなかで、基本が次第に沁みついていくのです。

言い換えるのなら、基本とは物事を深めていく根本的実力ともいえます。

根本的な実力を持っている人は、どの分野においても基本が入っていますから応用もできるようになっていきます。一道を極めていくことは容易ではありませんが、一道を極めるからこそその真価が直観できるようになるということでしょう。

基本はその基本への姿勢が重要ですから、どんな時も基本を怠らずに基本に忠実に取り組んでいきたいと思います。