苔の生き方

山にいくとたくさんの苔をみかけます。苔が日陰でキラキラと輝いている様子はまるで宝石のようです。触ればふかふかで、観ていたら癒されます。苔の魅力は山にいくたびに増えてきて、それを身近に置きたくなるものです。

この山苔とは、一般的にはホソバオキナゴケ(細葉翁苔)とアラハシラガゴケ(粗葉白髪苔)のことをいいます。そのどちらもシラガゴケ科で、乾燥すると白髪のように葉が白くなり逆に過湿な状態では濃い緑色になるのが特徴です。見た目は、かわいいまんじゅうのようなコケで「まんじゅうごけ」 とも呼ばれています。

ついついこのまんじゅうごけを見つけると、足を止めて心惹かれます。

苔はまだ完全に分かっていない植物ですが、植物と同様に光合成を行います。クローンをつくる無性生殖と、受精して胞子でふえる有性生殖があり、その種類によって、雄株と雌株が別々にある雌雄異株するものと雌雄同株があるといいます。基本は胞子で増え、維管束をもたず多細胞性の生殖器官と胚をもつともいわれます。

君が代にある苔むすまでとあるように、長い時間をかけてじっくりと生長しそして偉大な杜を形成する苔に古代の人たちは尊敬の念を持ち生き方を学んだように思います。

現代では、苔は身近にありませんが私のいる場所は苔を要所に活用しています。なかなか環境に合わずに根付きませんがそれでも回数を繰り返すうちに、どういうところが好きでどういうところが苦手なのかも次第にわかってきます。

場というのは、その生き物が好きな場所で棲み分けますからそれも次第に仲間を形成したり、周囲と共生することもあり一概にこの場所がいいとはいえません。

こうやって仲間たちと一緒に、苔のように棲み分けていけるのは仕合せなことです。子どもたちの未来のためにも苔からも学び、この苔の生き方を伝承していきたいと思います。