昨日は、むかしの農的暮らしの伝承をする方と一緒に筍を山に掘りにいきました。もともと果樹園のあった場所で土がよく、良質な筍がたくさん取れるということでいつもみんなで取りにきているそうでした。ここの竹は孟宗竹で、もとは中国江南地方原産ものを日本に輸入して江戸時代初期に広まったといわれます。
見た目も大きく、茶色の革にはうぶ毛が生えているのが特徴です。この孟宗竹は特にアクが強いそうで下茹でするアク抜きが必要です。現在、日本にある竹の中でも最大級の竹で、高さ25mにまで成長するといいます。
この孟宗竹は鮮度が命で収穫後は時間が経つにつれてえぐみ(あく)が増えていくといいます。また食感もかたくなるのですぐに下処理(アク抜き)が必要です。
アク抜きの方法は、以前は米ぬかやトウガラシをということでしたが昨日教わった方法は、井戸水で茹ででそのまま冷えるまで待つだけでいいとのことでした。それを水洗いしたらすぐに食べられるとのこと。実際に茹でて食べてみると、そのままの味わいがあり仕合せな気持ちになりました。
すぐに家族や知人に食べてもらうとおいしいと絶賛でした。
この孟宗竹は、成長すると海の海苔養殖の方が伐採にきて活用していた時代もあったそうです。山と海はつながっていますから、本来は山と海をつなげて循環する仕組みがあったころは見事に食材や暮らしが知恵で結ばれていました。
またこの筍も塩漬けや乾燥させたりして保存食になったり、時期がずれた竹を植えれば年中食べられるものもあったそうです。民族工芸品につかわれたり、燃料になったり、竹はもっともむかしの人たちの支えになったものであったのは間違いありません。
今の時代は、プラスチックに置き換えられましたが問題はそれでは自然のいのちや恵みが喜ぶような循環することがないということです。
最近の時代は、お金や資本主義が優先され目先の損得ばかりで個人の欲が優先されるようになっていきました。しかし、本来は子孫のため、そして自然のため、そして真の豊かさや幸福さのためという三方よしがあったはずです。
現代の三方よしは、人間都合の三方よしばかりで本来の三方よしとは程遠いもののように思います。
色々と時代のこともありますが、本来の三方よしに回帰する時機だとも私は思います。日々の暮らしフルネスから新たな生き方を提案していきたいと思います。