音の神秘性というものはまだ科学でも解明されつくしていませんが、この音というものはすべてのエネルギーの根源であることは直感的にわかります。宇宙が真空ではじめて誕生するとき、最初に発生したのは音であろうということは誰でも安易に想像できるからです。
昨日は、音はどのようなものかを書きましたが今日はその音の持つ振動や周波数というものを深めてみたいと思います。
私は法螺貝を吹きますが、法螺貝は音を増幅させ音を回転させ、振動させる力があります。山で吹けばやまびこが発生し、あちこちから音が呼応するものです。山で音を鳴らすと、山の音が聴こえてくるのです。もともと山にいると、心が安らぎ穏やかになるのは山の周波数に人間が癒されているからだとも言えます。マイナスイオンなどという言い方もしますが、山に入ると自然に眠気がくるのもまた山の周波数が体に影響を与えているからです。
もともと地球も同じように周波数を放っています。これを振動数ともいいますが、これは地球の直径と電離層の高さによって決定され、主に7.8Hz(ヘルツ)の周波数で振動しているそうです。
この7.83Hzのような極々低音というのは、普通の人間の耳では聞こえません。人間が聞こえてくるのは20Hzあたりからだといいます。以前、映画ガイアシンフォニーで宇宙飛行士が撮影した映像から地球の音といって低音のゴーという深い音が映像で紹介されていました。それぞれの惑星にはそれぞれの周波数があり、それぞれの音が鳴ります。私たちの耳は、最初から聞きたいものを聞こうとし聞きたくないものは聞こえないようにする脳の作用がありますから聞こえないだけです。
実際には、地球にいるだけでこの約8ヘルツの音は鳴り続けているのだからどんなに静かな場所にいても音がない世界は存在していないともいえるのです。さらに最近では研究が進み、海の波の音を外すと地球は固有振動数による自由振動を行っており、その周波数は2.9ミリヘルツから4.5ミリヘルツだったという事実です。このミリヘルツというものはこれは通常のヘルツ(Hz)よりも1000倍遅い振動周期になるそうです。つまり「1mHz」は1000秒かけて振動が1回という振動です。
地球の振動は、とてもゆっくりです。私たちは一秒の中に様々な人生やいのちがありますが長生きしているすべての存在はゆっくりと振動しているのかもしれません。人間の耳には聞こえませんが、これだけ静寂の中にも音があるということです。
では大きな音はといえば、地球では音の限界というものがあります。私たちの鼓膜にも限界があるように地球の大気内での音の限界は194デシベルだといいます。それ以上の音圧は空気を通り抜けられないのでそのまま衝撃波になります。つまり高圧状態の空気を爆発的に押し出します。核爆発や噴火の映像をみると、音が衝撃波になって地球全体に広がっていくのがわかります。
私たちの耳は、寝ても覚めてもいつも活動しています。音が聴こえない時間などは存在せず、音は暮らしにとても大きな影響を与えます。人間にとっても調和する音というものがあります。その逆に不協和音という不調和のものもあります。
この辺はまた別の機会で書いてみようと思いますが、子どもたちには音の持つ意味や神秘、そしてこれからの未来への可能性を先人の知恵も借りて伝承していきたいと思います。