道を磨く

人は、自分の生き方を定めて歩んでいくとそこに生きざまというものが出てきます。その人が大切にしていることをその人自身がどれだけ真剣に大切にするかは、次第にその人の人格を磨き上げていきます。自分が何者なのかを知るというのは、自分が何を大切にしているかを知るということでもあります。その大切だと気づいたら、それを守れるかというのが日々の真剣勝負ということになります。

目標や目的というものがありますが、そのどれもが自分の大切なことに対しての目標と目的ということになります。そしてその人生道中にさらに自分を知るためのご縁に巡り会い、本当の自分になっていく喜びに出会います。

この本当の自分というのはどういうものか、それを知ることが道ではありますがその道は自分の大切なことに気づくことが道ということでしょう。

誰かや何かと比べたり競争したりの環境の中にあると、自分の大切なことは後回しになっていくものです。自分に気づく前に、その刷り込みや環境に気付けるかというのは最初の通過点です。

空気があることに気づいているか、自律神経がいつも働いていることに気づいているか、この目が見える理由、耳が聞こえる理由、なぜ喜怒哀楽があるのか、心や魂の存在に気づいているかなど、もともとの原点や存在そのものが観えるかということが重要になるように思います。

そのうえで、自分の身の回りの環境が如何に不自然かがわかるという境地を得ます。つまり何が自然で何が不自然かということが気づくのです。すると、すべてのものには役割があり自分にもそれがあるということがわかります。これは他を比べての役割ではなく、自分というものの役割そのものに気づくということでしょう。

自分の初心や大切なことに出会えれば、そこからはそれをどう守り育てていくかという自分との正対、自分になるための精進になります。

暮らしというのは、その日々の中で自分の大切なものを守る実践道場でもあります。どう生きるか、どう生きたか、どう感じたか、どう守ったか、そうやって道は連綿と永遠に結ばれ繋がっています。

この今と自分を大切にして、さらなる道を磨いていきたいと思います。