石といのち

世の中には、どのように形成されたものかがわからない鉱物というものが存在します。私もむかしの日本の石風呂を現代に甦生するときに、色々と鉱物を調べましたがその奥深さにはとても驚きました。私たちが石として観るものも、同じ石は一つとしてこの世に存在しません。いくら分類わけしても、成分や配列、そして重さから形にいたるまですべて異なっています。加工をしたとしても、その性質は同じものはなく関係性によってもまたその土地の地場や使う人によっても変化しますからまさに石は一期一会です。

その石の中でも、長い歴史があるものがほとんどで長いものだと数十億年前、隕石にいたっては数百億年前というものまで存在します。この世に形成している鉱物がこれだけの長い年月、一期一会に姿を留めては力を発揮しているというのは宇宙の偉大さの一端を感じさせるものです。

特に地球の中にある石においても、薬石と呼ばれるもの、そしてあらゆる奇跡を引き起こすものなどもあります。私は薬石を深めていたときに、その石から出ている何かというもの、あるいは石が吸引していく力があることなどを学びました。これは感覚的なものでまだ科学的には証明されていないものがほとんどです。

例えば、水を入れることで水に伝導する波動のようなものであったり、火を入れることで遠赤外線が別の何かに入れ替わっていくように神秘的な変化を促します。他にも、音を響かせることで石もその音に反応して別の音を奏でます。石というものは、無機物だと人間は認識しますがそうではなく一つの気が集まった集合体でありこれはいのちそのものの姿とも言えます。

私たち人間は、自分と同じものしか生きていないと認識します。例えば、動いているもの、血液があるもの、手足があるものなど、人間と同じ要素があればあるほどいのちがあると思い込みます。しかし宇宙から観たら、人間は単なる一つの細胞の一つであり全体を構成しているものはもっと偉大なものです。

石を深めるということは、いのちを深めることです。今週は、穢れを祓うために石風呂を使いますがまさにこの石と水と火と風と光と闇と木と音の総合芸術を味わいます。ご縁のある方々と一緒に、本来の徳が何かを磨いて心を調えていきたいと思います。