それぞれにはそれぞの役割というものがあります。太陽には太陽の役割、地球には地球の役割、そして月にもそれぞれに役割があります。みんなそれぞれにその役割を全うしていて、全体として一つとしてお互いの役割を享受しあいます。それをミクロにすれば、ほんの小さな細胞や菌類もまたそれぞれの役割を果たします。シンプルに観れば、それぞれにそれぞれでいるだけです。それが役割の本質です。
誰かのために役割を果たそうするのは、本来のその役割ではないように思います。誰かから与えられた役割を果たすというのは、わかりやすいですが本当はそれぞれに役割があると考えることの方が本質です。
しかし現代は、幼い時から誰かの都合で役割を与えていますから役割は誰かから与えられるものと思い込みます。役割は自分を全うするときに自然発生的にやってくるとはなかなか思えないものです。
例えば、先ほどのことであれば太陽に月をしろといってもできませんし、地球に月をしろとはできません。ひょっとすると数十億年の単位では役割が交代することもあるかもしれませんが現時点ではそれは必要ありません。
役割というのは、その時々に今を真摯に生きているからこそ自然にそれが発生するのです。今を真剣に生きているとき、それまでの役割が移動していき新たな役割もまた誕生します。しかし自分がどうあることがみんなを幸せにするのか、そして自分が最も仕合せなのかを追及していくさきに役割が醸成されます。
頭で考える役割よりも、自分らしく自分を真摯に生きていることが役割だと思えることは安心なことです。
安心しあう世の中というのは、そうやってみんなが役割を味わい、役割を感じ合う生き方です。別に税金を納めなければ価値がないとか、五体が満足に動けなくても高齢であっても、存在そのものに偉大な価値があるのです。
役割という価値に気づくことは先ほどの太陽や月や地球に感謝することと同様に偉大ななことだと私は感じます。それぞれの役割に感謝して、役割を大切に磨いていきたいと思います。