五感と対話する

私たちは五感を使うことに本能的な喜びを感じるものです。もしもこの身体に感覚がなかったらと思うとゾッとします。すべての生き物には感覚があり、それを使うことで地球での生活を謳歌しているともいえます。

この感覚こそが、天からのギフトで魂が最も望んでいるもののように感じます。例えば、触るということや味わうということなど、私たちはこれを感覚を使って行います。この感覚の正体とは何か、そこに私たちの本体や本能が宿っているはわかります。

星空を観ては宇宙のかなたにある壮大なものを直感するという感覚であったり、夕陽を観ては美しいという光と水の変化を察知したり感覚は全てを受容しています。その受容は、感性を研ぎ澄ますことや魂を磨くことによってさらに鋭敏になっていきます。

知識というものや認知はあくまで感覚を表現するためにあるもので、感覚を使わないことがいいのではありません。今の時代は、感覚を捨てて便利なもの効率的なもの、簡単に結果がでるもの、見た目だけをコーティングするものが流行っていますがまさに感覚が鈍っていることを感じます。

感覚を鈍らさないためには、日々に感覚を使うことですがこれは暮らしを磨くことで伸ばしていくことができます。

日本の先人たちの暮らしをよく鑑賞していると、そのすべては五感をフル動員して用いていることがわかります。それは民芸品にしても食事の道具、作法にしても、また掃除やお手入れなど全般に洞察することができます。

私が暮らしフルネスの実践をしているのもまた、その感覚を磨き現代とのバランスを調和するためにも必要だと実感するからです。感覚を味わう、感覚を楽しむというのはまさに魂を磨くことになりこの世に産まれてきた一つの安心立命の境地を得るためのようにも私は思います。

引き続き、様々な感覚をバランスよく味わいながら五感と対話して日々を澄ませていきたいとおもいます。