水の徳

私たちの身体は地球の循環の一部を担っているともいえます。何かを取り入れ、それを養分にして成長し排出することで他のいのちの糧になります。この世にあるすべてのものは何かの役に立ち、私たちが呼吸をするだけでも循環の一部を担います。

循環として最初に意識できるのは水です。水は循環の象徴でもあります。例えば、呼吸であれば空気を取り入れて排出するという行為です。科学的にはミトコンドリアが酸素をエネルギーにし糖分を摂取するようにいわれます。二酸化炭素と酸素のバランスを保つものとも。しかし水で考えてみると、清水と濁水との関係と呼吸は似ていて水が流れているなかで濁ってはまた濾過するように私たちの身体を触媒として常に水に取り入れ水で流し出すという循環をしています。

身体の中にある水分を通して身体を維持するために循環し、排出していきます。身体が濁っていかないように善い水、善い空気を呼吸していけばそれだけ健康を維持できるように思います。

私たちは何かを取り入れるとき、同時に水も一緒に取り入れています。水がその感覚を理解し、水で記憶し、水で調整し、水が流し出すのです。私たちが何かを食べるとき、唾液がでるところから排出まですべて水が関わっています。

想像してみると、私たちの地球に空気があるのは水の御蔭です。水が大量にあるからこそ、私たちの吸える空気もたくさんあります。これは水が空気を浄化しているからだともいえます。地球を巡る水が、常に濁りや澱みを押し流してこの世のすべての生き物たちで浄化を手伝うのです。言い換えれば、水を活用しあうことで世の中を美しく豊かにしていくのでしょう。

私たちは水との関係を見直すだけで、人間の問題、環境の問題などあらゆるものを改善することができます。水を大切にするだけで、世界は変革するのです。水はあらゆる体験を望んでいます。そしてまた純水に戻り無に帰します。あらゆる姿に形を変えながら、そのどの体験も養分にして活かすのです。水は記憶であり、記憶はいのちです。

水の徳というものは、言葉ではとても言い表せないほどです。

水の徳から真理を学び、水のように循環する生き方を精進していきたいと思います。