お水の徳

私たちの日本の風土の中にもよく龍というものは出てきます。例えば、「龍穴」「龍井」「龍門」「龍宮」「龍脈」などあります。そもそもこの龍は中国が起源とされていますが、その龍はワニの一種だったともいわれます。インドでは蛇がナーガという水神であり、確かに曲がりくねった河をみると大きな蛇が水の正体のようにも感じたのかもしれません。

それが日本に渡来して混淆して、龍蛇神となったといいます。大国主なども龍の変化した姿とされ、出雲大社でも龍蛇神を御祭りする儀式など今でも大切に執り行われているといいます。

この龍という存在は、それぞれの国にはそれぞれの由来があります。しかし共通するものは、すべて「水」に関係するということです。今年は龍にご縁が増えたこともあり、龍神祝詞を唱えるようにしています。

作者は今でも不明ですが、とても力がある祝詞として今でも大切に伝承されています。

「龍神祝詞」

「高天原に坐し坐して天と地に御働きを現し給う龍王は大宇宙根元の御祖の神にして一切を産み一切を育て萬物を御支配あらせ給う王神なれば一二三四五六七八九十の十種の御宝を己がすがたと変じ給いて自在自由に天界地界人界を治め給う龍王神なるを尊み敬いて真の六根一筋に御仕え申すことの由を受引き給いて愚かなる心の数々を戒め給いて一切衆生の罪穢の衣を脱ぎ去らしめ給いて萬物の病災をも立所に祓い清め給い萬世界も御祖のもとに治めせしめ給えと 祈願奉ることの由をきこしめして 六根の内に念じ申す大願を成就なさしめ給えと恐み恐み白す」

とあります。

水というのは、私たちのいのちの根源です。この地球は水があることで循環し、水があることで存在します。空気も水が創りますし、光も水が創ります。水がいのちの全てを司ります。

龍というものは、水に対する深い尊敬とお祈りです。水の徳から学び直すことは、私たちが失ってしまった感性や、歪んでしまった認識を正す偉大な効果があります。今の時代こそ、この龍神というものの存在を深く感じて刷り込みを取り払う必要を強く感じました。

この時代に再定義再解釈を加え、原点回帰し、お水の徳を伝承していきたいと思います。