呼吸の徳

呼吸や息というのは不思議なものです。動物をはじめ私たちは、酸素を吸って二酸化炭素を出しています。これは科学的なものです。しかし実際には科学的ではないものも存在していることがわかります。

呼吸法を学ぶと、呼吸には単に酸素を吸い込んで出しているだけではなくそこには心身を統一したり、自律神経を調整したり、波動を落ち着かせたり、意識を変えたりと不思議な力があることがわかります。

昨日は、篠笛やフルートの奏者と、石笛や法螺貝などを交えて色々と知恵を共有したり試行錯誤の練習をしていましたが意識によって音が変化することをたくさん確認しました。

この音は、呼吸によって行われますがどのような意識で音を出すかによってその音の状態が完全に変容します。例えば、時代的に懐かしい原風景を心に抱き音を出せばその時代の音が訪れます。また或いは、自分の生命エネルギーを強く発揮して音を放てばその音が周囲を元氣にしていきます。

私たちの呼吸というものは、周囲と結ばれ全体に大きな影響を与えています。その一つの要素が音に顕れるということです。

そして呼吸というのは、よく観察すると人ではないものでもすべて呼吸をしていることがわかります。それは樹木であったり、土であったり、あるいは石にしても地球にしても呼吸しています。この呼吸は、長い時間をかけて呼吸するものもあれば小刻みに呼吸するものもあります。あるいは寒い中での呼吸や、熱いものの中での呼吸、あるいは低い重たい呼吸もあれば羽のように軽い呼吸もしています。

これらの呼吸は、心の状態をはじめあらゆる感覚と結ばれ振動しています。呼吸というものの価値は、まだまだ未発見の部分が多く、これはまだまだ新たな発明も出てくるでしょう。

古来からの呼吸の知恵と徳を、子孫へと伝承していきたいと思います。