「よみがえる」という言葉があります。この「よみ」これは大和言葉です。「よみ」と呼ぶのは、黄泉や夜見、陰府や闇なども漢字を当てられます。他にも月読みともあります。
甦るというのは、黄泉のクニから帰ってくるという日本神話の話もあります。これは「よもつかみ」という黄泉にいるとされる神がいて、現世へと帰りたいイザナミがそのことを黄泉神に相談した話です。またその後はイザナミは「黄泉津大神(よもつおおかみ)」となります。
この「黄泉」は、中国からの漢語があてられた理由は古代中国の「黄泉(こうせん)」という言葉でこれは死者が向かう地下の世界(地下の泉)という意味で使われていました。須弥が黄泉になったともいわれます。
他には、こよみ(暦)もよみを使いますがこれは日読み(かよみ)から転じているともいわれます。毎日を数えるときの大和言葉です。
甦るというのは、暗闇から光が当たるという意味にも近いように思います。
他には、夜の世界から朝の世界に変わることをいうのかもしれません。いくら物理的に明るくても暗い世の中というものもあります。心の明るさを取り戻すこともまた甦るというのでしょう。
そういう意味では、私たちは日々を甦り続けているともいえます。どのように甦るかは生き方が決めます。甦生に取り組むとき、私はその甦生のなかに徳の循環を感じます。
子孫のためにも、よみがえりの知恵を伝承していきたいと思います。