来週の6月21日はいよいよ英彦山の守静坊で夏至祭を行います。伝来の神鏡に太陽の光を通してそれを浴びるという神事も行います。これは代々、宿坊で継がれてきた秘儀神事とのことでそれを甦生します。
もともとこの夏至というのは北半球においては、1年のうちで最も日の出から日没までの時間が長くなるため、「1年で最も日が長い日」のことです。この日は”太陽の力が最も強まる日”となり、そこから「太陽が生まれ変わる日」と信じられてきました。
その時の太陽の力には生まれ変わるエネルギーがあるともいいますし、同時にそれを身体に受けることで生命力や心身健康などを保ち活性化するともいわれます。そしてその翌日の夜には満月でストロベリームーンが顕れます。太陽の甦生を月が顕すように感じるこの2日間は本当に神秘的です。
冬至祭はいつもBA(場の道場)にて実施されますが、夏至祭は守静坊(英彦山)になります。浄化するための場を丁寧に調えており、鏡磨きもはじめていきます。
私たちは日常の喧騒や人間を中心にした現代社会の生活の中で、太陽や月といった私たちを根源から支える存在への感謝を忘れてしまうものです。当たり前に太陽が月があるのではなく、私たちのいのちを見守り支えてくださっている火と水の根源でありそれをカミ様といい感謝してきたように思います。
忙しい日々で仕事や何かの予定でそれどころではないという人も多いと思いますが、本来はそれどころではなく供養や感謝をするころで私たちの心も体も喜ぶように思います。
特に英彦山の守静坊からの夕陽は、澄み切っており浄化されます。あちらから降りてくる光を神鏡に受けてこちらから降りてきた光を浴びると不思議と光を通して極楽譲渡と結ばれた感覚になります。
年に一度しかないこの唯一無二の日を皆様と一緒に過ごせることに感謝します。子どもたちや子孫へ、先人の知恵を御祭りを通して伝承していきたいと思います。