徳の場

天命や使命というものは、どのようにして訪れてくるのか。これはご縁によってというのは誰もがわかります。しかしどのような人に天命や使命が降りてくるのか、これはその人の徳に由ります。

そもそも人の徳とは何か、そして何をすれば徳を積むのか。天命や使命を生きることにおいてこれはとても大切な実践であることは間違いありません。

孟子は人の徳を仁義礼智の四徳で語り、それを信徳ともいいました。人に信頼されるということはそれだけ徳を磨いてきたということでしょう。ではどのように徳を磨くのか、そこにこの仁義礼智を実践することを説きます。

天命や使命というのは運が決めるともいえます。どのような運命を持っているかはその人がどれだけ徳を磨いたかということです。

徳を磨くというのは、自己を磨くということです。そして何をもって徳を磨くか、つまりその砥石は何にしたかということもとても大切になります。

例えば、ある人は伝統文化で磨き、またある人は自然で磨き、またある人は清浄な場で磨きます。つまり砥石を先人の知恵であったり、自然の叡智であったり、日々の暮らしの中であったりするのです。

徳を積むことで、その人にしかないもの、そしてその人になるのです。

人は勝手に自分になることはなく、常に自己を磨くことで徳を積みはじめて自分になります。

徳がある人は、多くの人がなびきます。これは古今東西の真理です。ないものねだりばかりする世の中ですが、徳は常にその人の隣にあります。その隣徳をどのように大切にしていくかは生き方と実践次第です。

引き続き、徳を磨いて子孫たちへ場をととのえていきたいち思います。