変化を味わう

先人たちやご先祖様のことを大切にするのは、その時間軸に触れることからはじまります。これを私は縦軸とも呼びます。もっと言えば、目には観えないけれどずっと繋がって途切れたことがないことがこの縦軸です。

私たちのご縁はこの縦軸を中心に横糸を編み込んでいきます。横軸は現在出会っている人たちや事物とのご縁のことです。同じようなことを何度も繰り返しては、以前よりももっと善いものへしていこうとするのが私たちの人生です。

私たちは変化を已むことはありません。同じことは二度とは発生しませんし同じということはありません。なので、時代を超えて役割を持ち、また使命を果たすというように繰り返しても同じではなく別の新しい繰り返しをすることになります。

これは毎日朝起きて夜眠り、日々を繰り返すのと似ています。同じ日は二度とありません。なので今度は、これを善くなるように、あるいは反省して気をつけようと新たにしていくのです。

その中で、先ほどの縦軸はとても大切です。

出会いやご縁はつながっていると言いましたが、繋がっているから今度はこうしてほしいという願いもあります。その願いを聴き届けながら別のプロセスを辿るように依頼されます。変わってほしくないことと、変えてほしいことがはっきりしてくるのです。

変化というのは、変化そのものに善し悪しがあるのではなく変化しないために変化するのです。

矛盾しているようですが、変えたくないものがありその普遍的なものを守り続けるために自分を変化させていくのです。外部環境が変われば変えてはいけないものまで変わっていきます。でもその変化は変化ではなくただ留まっただけです。この地球が回転するように動きを止めることはありません。回転する地球をはじめ太陽系、銀河宇宙全体が回転しているのだから同じように巡っても同じはありません。

だからこそ私たちは変化に対してバランスを保つのです。中庸ともいい、回転を維持するには中心軸は常にバランスを保っていないとその回転を守れません。私たちが変化するのはこのバランスのためです。

そしてこのバランスを保つためには、縦軸があってことというのは独楽でもすぐにわかります。独楽も中心軸の縦軸があるから真っすぐに立ち回転し続けます。その回転もよわくなったり強くなったりするので、私たちもそれに合わせて回転を続けるために変化し続けないといけないのです。

真理というものは、何千年、何万年も変わりません。しかしその真理も時代の変化で変えられていきますから元の真理に原点回帰を何度も繰り返していくのでしょう。

子孫たちのためにも、場を調えてバランスを保ち変化を味わっていきたいと思います。