地域?

地域というものは何をもって地域と定義するのか、一般的にはある一定の範囲内における地理的なエリアのことをいいます。しかし、私たちがよく使う地域が失われているという言葉や地域が機能しているなどという言葉はただの一定の地理的なことを話しているわけではありません。

ある時は、循環のことをいい、またある時は心のふるさとのことをいい、またある時は伝統や伝承などの文化のことを指します。つまり、地域というのは地理だけではなくもっと立体的な存在であるということです。

地域というのは、元々は私たちが暮らしを通してその暮らしを成り立たせているエリアのことです。最初は、山の中だったかもしれませんし、その麓の小さな集落だったかもしれません。それが次第に大きくなり日本全体になり都市化されていきました。この都市化というものは、先ほどの地域という言葉の反対にあるものです。

都市化された都会は、合理的で貨幣経済の活動を中心にした場所です。そこに心のふるさとを求める人は少ないと思います。もちろん都市化といっても、下町や長屋があったところは都会でもあの地域は十化など呼ばれ、先ほどの文化なども存在します。

これが失われていくのいが都市化といってもいいかもしれません。都会にもまだこんなところがあったのかと、過去の遺物のようになっているのがこの地域でもあります。

実際には、田舎のことや地方を地域と呼ぶ人もいますが今では田舎や地域も観光や工業地帯が広がりあまり地域というほどではありません。特に、稲わらなどの循環もあるわけではなく、心のふるさとのような暮らしもなく、伝統や文化も廃れていれば小さな都市化された場所というだけです。

私たちが都市化していくのはなぜでしょうか?世界人口の55パーセントは都市に住みます。つまり地球にいる人類の半分以上は、ある一定のエリアに集中しているということです。

通常なら砂漠のオアシスに動植物が集まっているというのはわかりますが、砂漠のような場所に人口が集中しているというのは可笑しなことです。工業化されていくと、工業地帯に人が集まるように都市に人は集まるのです。そして永遠に際限なく不足を探しては増産を続けます。これが現代の状況です。

私がなぜ暮らしフルネスを故郷で実践するのか、そして子どもたちの未来のために場を遺そうとするのかは、遠い先の未来を省観て、近くをあまり見ないようにするためです。

時代と逆行しているように見えても、実際には地球のリズムとはピッタリです。

引き続き、折り合いをつけながら新しい挑戦と成長と安らぎを続けていきたいと思います。