銀杏の徳

昨日も来客が多かったのですが、せっかくの機会だからと古民家和樂でみんなで銀杏拾いを楽しみました。はじめての方も多かったのですが、みんなで銀杏の香りのするお庭で銀杏を拾いました。

不思議ですが、最初は鼻につくようなにおいがするので苦手という人もいるのですが拾っているうちに臭いはなくなります。実際に臭いから拾おうとしない人もいますが、実際に拾ってそのあとすぐに炭火で焼いて食べるとその実の美味しさにみんな魅了されます。

特に拾ってすぐの銀杏はまだまだ実が青々としていて宝石のように綺麗です。割るのが大変という人もいますが、今は銀杏焼き網と銀杏用のペンチも販売していますがすぐに調理することができます。

そもそも銀杏の実が臭いと感じるのはなぜでしょうか。もともとこの独特の香りは、種が食べられるのを防ぐために行われています。銀杏の種を遠くへ運ぶため、この銀杏の実を持ち運んでくれる存在のためにこの姿になっています。

他にも果物をはじめ、すべての果実はある特定の生き物たちが食べたり運んだりしてくれるように自然に備えていきました。例えば、鳥であれば果実を食べて糞として落としてくれたり、どんぐりなどはリスが巣に持ち帰る過程で広がります。

動物たちの修正を利用して、果実を食べてもらいその結果として広げていくのです。銀杏は果たしてどのような動物のためにこうなったのか。銀杏は生きた化石とも呼ばれ、古代の氷河期の前から生き残ってきました。

その当時、人間は果たしてこの銀杏を食べたのでしょうか。

しかしその絶滅寸前の銀杏が今でも生き残り、その実を私たちが食べることができるということに壮大な浪漫と深い感謝が湧いてきます。銀杏拾いをしたみんなも、心が落ち着くや懐かしいなど笑顔が絶えませんでした。

私たちは時代も世代もあらゆるものも超えて、懐かしいものを懐かしい銀杏と共に感じているのかもしれません。銀杏も拾ってくれて嬉しいからこそ、私たちも嬉しいと感じているのでしょう。お互いの関係性がいつまでも結ばれて続くように、丁寧な暮らしを紡いでいきたいと思います。