小さなことこそ美しく、小さな力こそ偉大

私たちは小さいや大きいなどで規模を量ります。これは数字上の大小では特にはっきりと差が出ます。しかし同じ大小でも、生命というものであれば小さなものも大きなものも同じで差はほとんどありません。どちらも神秘的であり宇宙が創造した唯一無二のものです。

比べられる二元論で何でも分けているうちに、本来の真価が分からなくなるのは人間の性質でもあります。正義と悪、男と女、大と小と比較するうちにどちらが良いか良くないかと何でも比較するようになりました。

太陽と月と比較できるか、水と火は比較できるか、本来はそれらはどれも唯一無二で比較はありません。しかし特定の誰かや、あるいは大多数のその時代の価値観によって操作されていくものです。

私の尊敬する方は、小さなことこそ美しく、小さな力こそ偉大だということを仰っていました。これは今の時代が、大きなことが価値があり、偉大とは大きいことだと思い込む時代であるからです。本来は小さいか大きいかではなく、そのままあるがままが価値があるということですが今ではあるがままも小さければそれはダメかのように評価されます。

消費されることや、資本がたくさんあることが価値があり消費できないものや資本がないものは経済効果もないかのように言われます。この時の経済効果は、金銭的な数字上の差のことです。何でも物質的なものや数字に置き換えて考える世の中になっていますが、数字ではないものの効果はどうなっているのでしょうか。

本来は、二元論ではない永遠や無限、真心やご縁やいのちなど、比べることができないものの中にこそ本当の真価があるように私は思います。その境地に入る人は、その次元の言葉を使い、生き方を示します。

どんなに小さな実践であっても、それは実践そのものです。実践に大きいや小さいなどは本来はあまり関係がありません。大切なのは、どのような心で実践したか、どのような次元で取り組んだかということでしょう。

その真価を知っている人は、まるで川の水が流れ続けて已まないように静かに澄んで逝きます。魂の澄み切った人、魂のままであった人の純粋な美しさはまさに永遠の力であり、もっとも小さな力で偉大な美しさを顕現されます。

シンプルであること、正直であること、真心で生きること、これからも学び続けていきたいと思います。