歴史の謎解き

古代史を深めていると、謎解きのような暗号がたくさん出てきます。歴史の中で、それぞれの政権が変わり歴史の改ざんがたくさん行われてきました。その改ざん方法は、名前の文字を変えたり、時系列を入れ替えたり、男女を入れ替えたり、場所を換えたり、あるいは空想上の人物を入れたり消してしまったりと様々です。

文字で何かを記録するというのは、そういうことができるということです。また遺跡なども、本来はないものが建っていたり、別の地名にしたり、漢字を別の当て字にしたり、地形を変えたり、埋めたり燃やしたりと現物の方も消されています。

しかし、完全に消せるかといえば消せないものがあります。それは山であったり、岩であったり、配置であったりと、それに口伝であったり、伝統文化や伝統的な暮らしやお祭りであったりと工夫があります。

そういう一つひとつを繋ぎ合わせて結び、記憶を辿り謎を解くのです。そこにはたくさんの兆しや印が隠れています。そしてその暗号を紐解くのは「場」にこそあります。

その場所に行けば、不思議ですが何かを感じるのです。それはそこで誰かが何かをし、そこで過ごしたという事実がちゃんと場の記憶として遺っているのです。それを感受することができる人たちこそ、私はこの歴史の謎解きができる人だと感じます。

歴史の謎解きは、道のようなものです。かつて誰かが歩いた道は、自然に歩道ができます。しかし長い歳月や誰かの意図的な行為により道が消えてなくなります。しかしそのかつての道を静かに心を落ち着けて澄んだ真心で歩んでいると次第に記憶が宿ってきます。それが「場の記憶」のようなものです。

そういう記憶を一つ一つ結び直す中で、場はまた甦生します。私が取り組む場の甦生には、こういう歴史の謎解きというものもあるのです。

子孫のためにも丁寧に場を清め場を調えていきたいと思います。