ご縁結び~魂の対話~

今年も英彦山、守静坊の「サクラ祭り」が近づいてきました。有難いことに、この季節の宿坊はまるでこの世のものとは思えないほどの幻想的で美しい純白の一本桜の花と薫りが場を包み込みます。

この守静坊の一本桜はひとたび風が吹ば、ゆらゆらと仙人のような佇まいになり夜になれば満天の星空と和合します。今回は、昨年よりもまた充実して周囲に茶席を設けたり、ライトアップしたり、生演奏をしたりとサクラと共に開花の歓びを分かち合います。

元々、霊峰と呼ばれる英彦山は我々のご先祖様たちの魂が居る場所ともいわれ宿坊はその魂の宿直をする場であると信じられていました。お盆にはたくさんの檀家さんたちをはじめご縁のある方々が参拝されお山の静謐で清々しい場でご先祖様たちとの魂の対話をし感謝を通じ合わせていたといいます。

現代は、各家庭にはお仏壇もなくなりご先祖様と通じ合う時間が激減しているといいます。

私たちの今の身体を含め、すべてはご先祖様たちから譲り受けてきて今があります。その証拠に、顔かたちをはじめ身長や体格、持病や性格なども色濃く受け継いでいることがわかります。心を落ち着かせ耳を傾ければ、ご先祖様が今も一緒に私の身体に宿り生きているのがわかります。

その共生するご先祖様の存在を一年に一度、思い出し共に感謝しあって桜の木の下で和合するのがこの「サクラ祭り」なのです。

不思議なことですが、サクラ祭りに参加された方からはご先祖様にお会いできて涙が出たとか、あるいは心の養分が甦り元氣が出てきたとか、他にもすでにご先祖さまにいただいている感謝や幸福を感じ直すことができたなど喜びの声ばかりでした。

年中行事というのは、本来は意味があって行っていたものです。ただのお花見ではありません。この英彦山の守静坊のサクラ祭りは「ご先祖様との邂逅」のために行われてきたものです。

今を生きる私たちが、伝統を継ぎ継承しご先祖様たちとの繋がりや結びを強くすることで自分だけでなく子孫たちをはじめご縁のある方々の幸福に貢献していくことができます。

もうこの年中行事を復活させてから3回目になりますが、幸運ばかりに恵まれご先祖様たちの応援を感じます。過大な宣伝はせずご縁のある方々から丁寧に少しずつ、植物が芽吹いて花が咲き種が増えていくようにご縁を中心にお誘いしています。

今年も、守静坊でご縁結びができるのを楽しみにしています。

日時:2025年3月29日(土曜日)13時より~

場所:英彦山守静坊 (福岡県添田町英彦山731)

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