春爛漫

この時期は、ずっと英彦山の宿坊に居てしだれ桜にご縁のある方々をおもてなししています。年配の方から若い方まで色々な方が来られますがそれぞれにお越しになる理由があります。

ある人は若い時から難十年もずっと来ている方、またある人は両親やご家族を連れてくる方、またカメラを持ってずっと撮影されている方、この宿坊の先代との懐かしい思い出を持たれている方などそれぞれです。

お茶を振舞い、少しお話しているとそれぞれの人生と桜の関係をお聴きできます。

何を思って何を感じているのだろうかと静かに関心を寄せて省みているとそれぞれの生き方のところにこの桜が影響を与えていることが分かります。

人が何かに美しいと感じるのは、単なる見た目の存在だけではありません。その存在そのものが放つ、生き方、生き様に感応して美しいと感じているのです。

桜の美しさは、その生き方の美しさにもあるのではないかと私は思います。

特にこの英彦山の守静坊のしだれ桜は深い谷の静かなせせらぎの場所で孤高に超然と咲いています。かつては八百坊あった英彦山の宿坊はもう十数坊になり、周囲は失われたかつての宿坊跡ばかりでほとんど誰も住んでいません。参道から少し離れたこの侘びて寂びた場所にひっそりとしつつも凛として立派に咲き誇ります。

昨日、お越しになった方も守静坊がますます凛としていて感動したと仰られ、同時に桜の美しさにこの場所全体の素晴らしさの感動してくださいました。

美しいと感じるのは、美しいと感じる心があるということでありその人の中に、その人の人生、その生き方の中に何か共感する美しい風景があるということかもしれません。

桜は、かつて私たちの先人たちや先祖が憧れ生きた美しい歴史を象徴するものです。

今週の4月6日(日曜日)は、弁財天が降臨する巳の日です。そして大安の縁起の善い日です。この守静坊の谷は、弁財天の守護する谷でお水の神様をいにしえのむかしより大切に今でもお祀りしています。弁財天は、蛇神で巳年の今年は深いご縁があります。財宝を司り、芸術の神様です。

もっともこの守静坊の場に力が充ち溢れるこの6日の夜、満開に咲いた樹齢225年になるしだれ桜と共に満天の星空と月とライトアップをして美事な一期一会の桜を拝みたいと思います。

また偶然にも梅の花と椿の花と桜の花が同時に咲く春爛漫の元氣もいただき、これからの季節の予祝をしていきたいと思います。

おめでとうございます。