先日から障子の張り替えを行っていますが、昔ながらの手漉きの和紙の障子は風合いもよくしっかりしています。和紙を辞書で調べてみると「ミツマタ・コウゾ・ガンピなどの靭皮 (じんぴ) 繊維を原料として、手漉 (す) きで作る日本古来の紙。強靭で変質しにくく、墨書きに適する。 美濃紙・鳥の子紙・奉書紙など。俗には、和紙に似せてパルプ・マニラ麻などを機械で漉いた洋紙も含めていうことがある。日本紙。わがみ。 」goo辞書と書かれています。
和紙と呼ばれるのは明治以降に量産のため機械化されてからでそれまでは紙はすべて和紙のことを指しました。この和紙は厳密にいえば原料の違いなどもあるのですが、製法が元来の昔からの方法で造られたものを言うように私は思います。
これは和紙に限らず、和蝋燭も同じく昔ながらの手仕事た手間暇をかけて素材そのもののいのちを活かすようにつくられました。この和とつくものは、他にも和包丁など西洋からの似て非なる技術が入ってきてから敢えて「和」と着けるようになったのでしょう。
この洋と比べた時の和は何をもって和というか、それは伝統を守った方法であるから「和」というのではないかと私は思います。
伝統的なものは、すべて「和」であるとしたら日本古来からの精神のことは「和魂」というのでしょう。熟語に「和魂洋才」という言葉があります。これは日本古来の精神を大切にしつつ、西洋からの優れた 学問・知識・技術などを摂取・活用し、両者を調和・発展させていくという意味の言葉です。
この和魂洋才は、伝統的なものを大事にしながら何を守り何を磨くかを見極めこの「今」を新しくしていくということです。つまりは伝統的な精神、日本人のままに今の時代を生き切るということです。これは決して古びれたものを守ればいいというのではなく、本来の生き方を貫きながら今の時代ならどう創意工夫して和合させていくかということです。
だからこそ様々なことを和合していくためにも、先祖たちはどのような暮らしをしてきたか、その生き方や道具の余韻から学び直しながら今を刷新していくのが私たち子孫の使命なのです。
自分の文化が根っこに基礎として確立されているからこそ多様な文化を取り入れる素養が身に着きます。歴史を体現するものこそ、今の時代に真に存在していることになります。
引き続き子どもたちのためにも、様々な日本古来の伝統の道具から生き方を学び直していきたいと思います。
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「不変」のものがあって初めて「変化」が正しく認識できます。他国と違って、日本が、漢字や仏教などを始めとする外国の文化を取り入れながらも、決して「日本人」であることを見失うことがなかったのは、その根底に、不変の「大和の精神」が根付いていたからでしょう。いま一度、この「精神」に戻り、その上で、日本人としてこれからの生き方を取捨選択し直していきたいものです。
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実家に障子の部屋はありましたが張替えをしたことはなく、今回張替えを行う中でそこに物語を感じました。かつてどこにでもあった日本人らしい暮らしを実際に体現しているようで、その一つ一つは新鮮であり懐かしくもあります。触れるものすべてが新鮮ですがその中感じたことを今の形で発信していきたいと思います。
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外国人が日本に来て魅せられたのも、日本人の生き方・生き様から和魂を感じ取ったからではないかと思えますが、自分自身もまた先日の畳のお話のように謙虚な生き方をしている方にお逢いすると魅せられるものがあります。何を取り戻し伝承するのか、昔に戻るような懐古ではなく、日本人としての本来の「今」を創り上げていきたいと思います。
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日本人とは何だろうかと思うと、この土地の気候、季節の中で暮らしてきた人間であり、その特徴はやはり土地の気候、季節が生み出してきたのだと感じます。日本というこの土地が魅せる四季折々のその表情。それが日本人らしさなのだと感じます。世界で最も多様な植物が集まり、雨も多く、自然災害も多く、四季折々の自然がみせる厳しさとの共生に長けた民族である事を想うと、先祖が遺して下さった智慧を学ばないという事は、日本人らしさを失っていく事だと感じます。