今回、英彦山の守静坊の茅葺屋根のクラウドファウンディングをはじめましたが皆さんからとても有難い応援をいただいています。空き家になってからもう随分長く、誰も住んでいなかった宿坊がここで甦ります。
浄化槽もなく、水洗トイレでもなく、車も入っていけないような山深いところにある一軒家がまさかの甦生というご縁を得ています。何の見返りもなく、メリットもない、もう誰からも見捨てられかけた家がみんなのチカラで甦っていきます。
英彦山という山はもともと日本人の富士山のように、九州人にとっては大切な山です。九州自然歩道が英彦山につながっているように、みんな英彦山に参拝したことで道ができています。つまり巡礼の道が、今の九州自然歩道です。
英彦山を中心に、近くにある宝満山、福知山等々、そのつながる山々が修験道という山で模範的な暮らしをする人々の聖地として清められ里の人たちを見守り続けました。そしてそこには宿坊があり、主人がいて知恵を子孫へと伝承していきました。
今回、甦生する宿坊にもその余韻や気配が数々の遺物から感じられます。
屋根というのは、家をもっとも守る場所です。その屋根が、赤さびで傷み、雨漏りする状態になってきました。雨が入れば、木が腐り、シロアリが来てそのうち倒壊します。ここからのスピードは速く、あっという間に家が再起不能になっていきます。
守静坊は、もともとは茅葺でした。宿坊は元来、茅葺によって屋根があります。この屋根を茅で葺いたら今度は、30年後に同じように茅を葺き直します。何度も小さなお手入れをしながら、数十年間をかけて家を守る存在になるのが茅です。
むかしは萱場というものがあり、みんなで茅を育てみんなで屋根をメンテナンスしていきました。こうやって、みんなでチカラを合わせて家を守り社会を守り人々の心を守ってきました。
みんなでこうやってむかしの人たちのように、同じような取り組みができることに仕合せを感じています。これから、どんなご縁が広がり、そして深まり、英彦山が甦り、日本人が甦るのか。
子どもたちに、徳を譲り平和で豊かな懐かしい未来を繋いでいきたいと思います。
よろしくお願いします。
日本三大修験の聖地「英彦山(ひこさん)」の宿坊再生プロジェクト – クラウドファンディングのMotionGallery (motion-gallery.net)