先日から風邪をひいて休んでいます。原因は、1歳の子どもが鼻水やくしゃみをしていたのですがそこからウイルスをいただいたようです。思い返すと、子どもからよく風邪をもらっていました。幼いときはあらゆる感染症をもらっては免疫を強くしていました。私たちは、今では過剰に殺菌や滅菌、ワクチンなどで徹底的に外部から感染症を予防しようとしますが少し前までは自己免疫力を高める方がいいことを知っていました。
過剰にウイルスを怖がったり、目に見えない菌のことを気にしすぎたりという方がよほど感染症よりも問題が大きくなったように思います。現代は自然治癒という治療をする医師がほとんどいなくなりました。その理由は様々ですが、一つはお金が深く関係しているように思います。また目に見えて即効性があり診断できるという便利さもあるように思います。
かつて、紀元前460年前ほどの人物に「ヒポクラテス」という人がいました。この方は、「医学の父」、「医聖」、「疫学の祖」などと呼ばれています。また古代ギリシアで初めて、呪術や迷信を廃し、観察や臨床を重視する医療を開拓した人物だと言われます。
自然を観察するかのように人間や病気の根源を見つめられた方だったように思います。それは彼の遺した言葉からもわかります。
「私たちの内にある自然治癒力こそ真に病を治すものである」
「病気は、人間が自らの力をもって自然に治すものであり、医者はこれを手助けするものである」
「人間がありのままの自然体で自然の中で生活をすれば120歳まで生きられる」
「人間は誰でも体の中に百人の名医を持っている」
「人は自然から遠ざかるほど病気に近づく」
また、病気の原因はほとんどが食べ物から来るといいました。
「食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか」
「食べ物で治せない病気は、医者でも治せない」
「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」
「病気は食事療法と運動によって治療できる」
「病人に食べさせると、病気を養う事になる。一方、食事を与えなければ、病気は早く治る」
医食同源という言葉は今では知られていますが、2500年前からもずっと今でも病気の原因も治癒の理由も変わっていません。どれだけ科学が進化したとしても、余計なことをして病気を増やしたから病院も医者も増えたわけで人間が人間らしくしていたらほとんど医者も病院も必要ないということでしょう。
現代の日本の病院の数は8000か所以上、薬局は6万か所以上です。薬やサプリばかりを購入する時代になりました。私も反省することが多いのですが、コンビのように便利になった薬に容易に手を出してしまいます。余計なことをしておいて、また余計なことをして病気になりやすい体質にしています。
自然治癒や自然免疫は、今の時代こそ最先端の医療の仕組みになるものです。そういう意味で、お山の力を使って治癒したりあるいはお水の力で予防したり歩くことで未病にしたりと工夫はいくらでもできます。そして薬の字にあるように、身近な薬草を食べることであらゆる病気をうまく調和させていくこともできるのです。
子孫のためにも、今こそ温故知新して本来の自然治癒の素晴らしさを伝承していきたいと思います。