自然の智慧~恩蔭様~

昨日、無事に福岡農園で自然農の御米を収穫することができました。有難いことにたくさんの方々のご支援と見守りの御蔭様をもってこの日が迎えられたことに感無量の気持ちです。

思い返せばもうこの実践を開始してから早4年、東北の震災と原発事故のことがあり、二度とあの当時の気持ちを忘れないようにと決心しはじめた実践です。あの時、人間が地球の一部であるという自覚が消失していくことが如何に悍ましい結果を発生させてしまうのかを自覚したからです。

今思い返せば、自然農をして何をしたかったのかを省みると自然に沿った生き方を自らの背中を通して子どもたちの身近に実感させてあげたかったのかもしれません。

この4年間、特に3年目までは数々の困難の連続でした。病害から虫害、水害、台風などの天災に加え、人間関係の問題などで悔しい思いをたくさんしました。ほぼ無収穫の状態が続くというのは何とも複雑な気持ちでしたが、周りの有難いアドバイスが心に沁みました。

本当に多くの人たちが要所要所で応援と支援を与えていただきました。

ふり返ると最初のアドバイスは、「手前から少しずつ行うこと」、そして「小さくはじめること」、「年々ちょっとずつ増やしていくこと」、「できる範囲からコツコツやること」など積小為大の法則について実践してきました。小さいことには普遍があり、小さいものを為すものは必ず大きなものもできるという智慧を得ました。

次のアドバイスは、「自分の眼と手と真心を使うこと」、「草は根もとから切ること」、「幼少期に負けてしまわないように見守ること」、「目を離さず手を放しいつも観ていること」、「草も虫も一緒に暮らせるようにしてあげること」、「微生物たちの発酵場にすること」などです。ここから、如何に手間暇をかけさせてもらうことを学びました。自然を自分がコントロールするのではなく、自然に心を寄り添いいのちを慈しむように謙虚に実践させていただくと周りから自然に善くなっていくという智慧を得ました。

また次には、「天にお任せして気楽であること」、「どんな時も自然を信じていること」、「人間を信頼して任せること」、「毎日、初心を忘れずに祈りを捧げること」、「頂いたご恩を忘れないで報いること」、「四季のめぐり、そして準備を怠らぬこと」、「生き物たちの安心できる生活環境を守ってあげること」など如何に信じるという祈りに似た精進が自他自然を活かすのかという智慧を学びました。

智慧を思うとき、自分が求める智慧は、自分のためではなく子どもたちや世界のために必要だと思うからです。永続してきた私たちの祖先からの今をつなぎ結ぶのが私たちのお役目ですから心と志はいつも天高い一点のみを観つめています。魂が次第に減退している今の時代に、どうすれば魂がより磨かれるか、王道を歩む人たちを増やしていくのか、それは生き方を変えることで伝えていくことができるように思います。

結局人は、何をしているかではなくどうあるのかということがすべてにおいて中心になっているのでしょう。

私は本当に沢山の方々との出会いに恵まれ、いつもかけがえのないものを頂戴しています。これを皆さんに還元できるようになる日がいつ来るのかはよくわかりません。しかしいただいているものを共有し御恩返しをしたいという気持ちは日々に膨大に増えていきます。

今回の実践でもっとも印象深かった素晴らしい智慧は、「ゆるし」です。ゆるしというのはいつも見守りの中で得られます。今回もこんな私のこともゆるしてくださって自然は一緒に様々な仕合せの時を共有してくださいました。

引き続き学びが続けられることに何より感謝し、尊いいのちの歩みを止めずかんながらの道を歩ませていただきたいと思います。

  1. コメント

    これまで、いろんなことに取り組んできましたが、その場も機会もすべて与えられていたようです。それも、いつも応援者付きでした。「必要なものは、必要なときに、必要なかたちで、必要な量だけ与えられる」と言いますが、ほんとうにその通りで、何も心配いらなかったのだと感じます。常に「必要なもの」しか与えられていないということを自覚しておきたいと思います。

  2. コメント

    自然農がはじまった当初は何が何だかよく分かりませんでしたが、奈良へ行ったり畑を耕したりと、目の前で必要な作業を行っていましたが時間が経ち少しずつ意味を理解しはじめたような感覚があります。大豆や稲を実際に自分で育てはじめ分かりはじめた事ばかりですが、自分の中で生まれる感覚こそ何よりも得難いものなのだと感じています。本に載っている育て方を覚えるだけよりも、花が咲く、実を付けるそこに感動を覚える自分でありたいと思います。【●】

  3. コメント

    バケツ苗をしてはいますが、どんな思いで見守ったか、何を信じると実践したかと、今日のブログを読んで、自分自身の根底が自分都合である事に気付きました。環境だけが育ててくれたのであれば、それは実践とは言わず、自分自身がそこで何を学び、どう変化したか。それが実践なのだと気付きます。今日も環境に甘えず、変わることを大切にしたいと思います。

  4. コメント

    書かれている言葉の一つひとつが人生ににおいて生きる上で本当に大切なことだと感じます。そして同時にそれは教えられるものではなく自らの体験によって自ら気づく必要があることを感じました。実践の質を高めていきたいと思います。

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